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ありのままではいられなくなる○○感 コラム5

ありのままの自分にとって最も警戒するべきものは、怒りでも不安でもありません。過度な緊張感です。

絶望的な気分になり、誰にも会いたくなくなったり、時には死にたい気持ちになったりするのも、緊張感が強すぎる結果なのです。その緊張感の元をたどると、周りの人のご機嫌取りをして何とか調整をつけないといけないことだったり、自分の力量を超えた仕事、場合によってはやり方は分からないのに責任だけはやたら重い仕事を任されたり、自分一人ではどうも太刀打ちできない状況が考えられます。

また、緊張感は自分を捻じ曲げてしまいます。自分という軸がなくなり、他人の軸で生きるようになるからです。

厳しい親の元で育つと、人生決断として「自分より他人を優先しないといけない」という決断をしてしまうために、生き方自体がそうなってしまいます。逆に、緊張感のない人間関係に戸惑いを感じ、時には不快感さえ覚えてしまいます。人を信頼できないのです。

たとえば、「こんなにニコニコしてこの人は何か裏があるんじゃないか」とか「この人は本当は厳しい人なんじゃないか?」と思い込んで接してしまいます。その結果、自分自身が相手との間に緊張感を創り出す存在になってしまうのです。

緊張感から脱する方法の一つは「笑い」です。作り笑いではなく、自然と笑顔になるような環境に身を置くことです。無理に笑うとまた緊張感つくられるので、自然と笑いあえる、緩やかな空気に身を置いて「ここにいていいんだ」という味わいで心の芯がぬくもることです。

緊張感が普通であった生き方から離れて、リラックスしているほうが普通だと思えるようになること。これがありのままを大切にできる環境です。私たちは「安全である」ということが認められて初めて社会的な交流(人間らしい、人格としてのかかわりあい)ができるのです。


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