カウンセリングで良い人間関係をつくる3 話を聴く意味
カウンセリングを学んで、人間関係はかなりスムーズになります。前回は傾聴の話に触れました。
傾聴してもらうと、相手は受容されます。(傾聴のうまさにもよりますが)受容されたと感じるのは傾聴してくれる相手が自分のことを「分かってくれた」と感じた時です。この受容体験の積み重ねが、信頼関係を生みます。
ところが、受容だけしていれば良いかというと、そうでもなくなります。分かって欲しいという思いが、いつしか承認欲求にもつながります。
これだけ分かってくれたんだから、もっと分かってよ!
という思いになります。カウンセリングであればこれで良いと思います。しかし、人間関係、たとえば友達や職場での同僚や上司との付き合いではこれはなかなかきついものがあります。
受容するということの中には、相手を引き受けるということも含まれてしまうからです。
人間関係で傾聴をして信頼関係を重ねても、相手にもたれられると、それはそれで大変になります。
では、どうしたら、もたれられないで済むのか?ということでうす。
ここできちんと自分の考えを伝える必要があります。
傾聴をして相手のことが分かった、相手が分かってもらったとなっても受容し続けるのがカウンセリングですが、人間関係は違います。
人間関係の前提として自分と相手は違うということを、互いに了解しておくことが重要になります。この線を自分の思いや考えを伝えることで引きます。
頭ごなしの否定はよくありません。伝え方としては、ちょっとテクニックっぽくなりますが、相手が伝えてきたことの内容をまとめて一度、伝える。そのうえで「私はこう思う」と自分の考えを伝えるのです。
もちろん共感できるのであれば、共感すればよいし、違うと思うのであればそれを伝えることも必要になります。
伝え方で頼りになるのがアサーションです。アサーションは自分も他人も大切にする考え方です。自分の考えは伝えても、相手がそれをどうとらえるかは相手次第ということになります。
そこには相手を一人の人格的な存在として認めておくということが重要になります。つまり、敬意です。
自分と他人を違う存在とするということの背後には、差別や見下した態度ではなく、敬意を持っておくことが重要です。
では、どうやって敬意を持つのか・・・これは次回お伝えします。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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