**本誌ネタバレ**『鬼滅の刃』○○編とか控えめに言って、ほんとやめてほしい
**本記事は本日(2020.05.11)発売の少年ジャンプ掲載の**
**『鬼滅の刃』のネタバレを含みます。ご注意ください**
『鬼滅の刃』最新204話「鬼のいない世界」。宿敵・鬼舞辻無惨との壮絶なる闘いのあとのエピローグとして描かれたこの話は、とてもよかった。
勝ち取った勝利の喜びとその代償をしみじみと感じさせてくれた。生き残った者と同士の会話。ところどころに描写される癒えない傷。実家に帰る炭治郎と禰豆子。全体的に笑顔が多く明るい雰囲気であるものの、闘いの傷跡がなまなましく残る。
特に心を打ったのは最後の柱合会議のシーン。あれだけ強かった9名の剣士がふたりしか残っていない。親方さまもいない。
残ったふたりも決して作品的に人気で選ばれたキャラではなく、話の流れで生き残ったことがここまで読んできた読者にはわかる。そこがまたリアルさを感じさせてくれる。
ハッキリ言って最終決戦後の余韻としては最高だった。だから、だからこそ……現代編とかほんとにやめてほしい。下手な新章とかほんっっとにやめてほしい。まだわからないけど、ただ時系列を現代に飛ばして、鬼のいない平和な世界を描写してくれるだけなのかもしれないけど。
「ジョジョっぽい」「ワクワクする」って声もあるみたいだけど、わたしは断固反対。この余韻を、美しい終わりを壊さないでほしい。
話は急に飛ぶが、わたしは浅い趣味として、たまに演劇鑑賞をする。もっとたまに演劇のワークショップとかにも参加したりする。そのワークショップのつながりで聞いたことがあって印象的でだったのが、劇団ままごとの主宰で演出家の柴幸男さんのお言葉。
「劇を作る上で大切なのは始まりと終わりを決めること。終わりを決めないといくらでも話はつづけられてしまいますから」
わたしは漫画でも同じことが言えると思う。たしかに今の『鬼滅の刃』の人気は並じゃない。飛ぶ鳥を落とす勢いというか、もはや異常なレベルに達している。
だからこそ、そんな人気作の連載を集英社が終わらせたくないのもわかる。でもそれを言い出したら、作品は一生終わるべきときに終われない。
ジャンプ愛読者として20年弱経つが、人気があるからという理由で物語的なピークで連載を終えることができず、結局尻すぼみ的に無慈悲に打ち切られてきた作品はこれまでもたくさんあった。『鬼滅の刃』はそうなってほしくない。
どうか来週月曜日(5/18)、このnoteで最終回の感想を書けることを心から祈っている。
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