Ⅱ- 2 数理・論理表現
最終更新: 2024年4月1日
認識・コミュニケーションのための技術(話法、話術、論理)。
まずは正確性と見栄え、違和感がないこと
伝えたいことを分かりやすく表現でき、文章が伝えたいことをきちんと読み取れる能力。順序立ててものを考える能力。
コミュニケーションの目的は以下の2点である。
解釈 (input) … 自分の中で情報を正しく解釈する、物事を認識するために
(解釈可能な形に変換する)
伝達 (output) … 相手に情報を正しく伝達する、価値観を共有するために
(伝達可能な形に変換する)
長い文の内容のつながり
表現の構成・デザイン
文章がわかること
主張に根拠を付け加える。
説得力を付け加えるための手段として
推論の技術/方法論
根拠 (のある結論) の作り方
① 正確な認識 (思考と推論) とコミュニケーションのための論理知識を身につけます。
その内容を正確に解釈・認識し、
相手に伝達可能な形で正確に伝達・共有できるようになることです。
意思疎通では解釈に幅が生じないよう、わかりやすく
ただ思考を全く正確に言語化することはできない。
どの言語でも良いので、ChatGPTの出力を解釈できる程度、正確に入力できる(問いの言語化)程度を目指す。
真似び+自在に使いこなす
読者がイメージできる具体的な文章を作成することを意識する。
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2-1 数理知識
目的は数理的理解、数理表現 (統計) がわかるようになること。
a) 計算と測量
1. 数と計算
(1) 数と数字
(2) 演算と演算子
・立式と計算
・簡単な四則演算の暗算
・計算技術の仕組みの理解
・概算
・等式と不等式 (大小比較)
(3) 数式と文字式
・円周率π、√2、ln2、黄金率φ 等 (数学定数、物理定数)→必要?
(4) 数学と人間の活動
・整数の性質 (約数・倍数・素因数分解)→必要?
2. 測量
数と量
比較したい内容に対する、適切な物理量の選択
🐜9匹と🐘2頭
計数の比較 🐜>🐘
重さの比較 🐜<🐘
容積の比較 🐜<🐘
数の比較が一番難しそう
量
さまざまな情報を定量的に表現するための手段(語彙、技術、共通観念)
物理量、感覚量、感性量、反応量、価格、点数、、
物理量
量、長さ、重さ、濃度、速さ、角度、面積、体積、時刻と測定
量と変化量の違い
単位 (SI単位系)
組み立て単位
単位どうしの計算
何と何を足すか、掛けるかは主観に基づく
(効果的に表現する工夫の余地がある)
単位が同じなら足し算、違えば掛け算 [apple/人]
基本的な平面・空間図形の(表)面積、体積の公式
b) 数理表現の技術
1. 数理モデル
2. データと図表
データ分析
比較したい代表値・パラメータの、場面に応じた適切な選択
数字を効果的に見せるため
平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値
総量と構成比、増加率減少率など
比率と割合
データのトレンド
図表資料の理解と活用
グラフの形状
軸とスケール、線形/片対数グラフ
比例、二次関数、指数関数、偶関数、周期関数
上に凸、単調増加
グラフの推測
図表にした資料を解釈し、データから導ける内容の正誤を判断する
テクノロジー
コンピュータを道具・手段として使うこと
電卓、図示、表計算ソフト(…要る?)
3. 確率と統計
確率と統計に関する誤謬
相関と因果の誤用
数理表現を分析/再統合し、意味を解釈するトレーニング
・物事や情報を単純化し、特徴をわかりやすくして認識すること。
・特に 物事の類似点や相違点を認識すること。
・分析と分類、体系化
2-2 論理知識
物語の思考の流れ+長文読解
論理的に表現(思考を共有)するバリエーションは限られている。(演繹と帰納。観念連合=思いつきは共有できない。)
表現としての論理
主張に根拠を付け加える。
説得力を付け加えるためのあらゆる手段を紹介する。
a) 世界の認識
現実の世界認知
基本的な 近現代批判各論
+事実内容というより見方を教える
事実に基づいて世界を見ることのススメ
ファクトチェック
1. 事実に基づいた世界観
データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。
統計知識を要する。
まともな世界の認識 FACTFULLNESS
地球は動いてるし、野球、政治、宗教比率とか
本質的に絶対的に正しい知識とか認識って何もない
2. 認知バイアス 〈非形式的誤謬〉
誤謬は人間の意識的な知性と相関なく発生する。
特に物事を思考するときに邪魔となる、
人間の感情に基づいた
仕方ない「こういうものだ」を理解する。
特に否定するものではなく、ただ事実として理解すべきもの
人間の(社会)生活や言語習得、論理習得の過程で獲得してしまうバイアス
常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。
防衛機制
狭隘な二元論
非形式的誤謬
公正世界仮説と平均回帰
公正世界仮説に関しては、因果関係を何にでも求めることについての危険性(因果応報と自己責任)、そもそも因果関係の恣意性について
世界を公正にしようとしていることは前提で、現状はそうなっていないことの認識について
公正世界理論(因果応報、自業自得、自己責任)=防衛機制
不公平に不安になり、公正世界に安心する原因はいくらでも考えられる
因果関係なんてもんは幻想かもね
帰属の誤謬
現実世界は1か0かではない。
防衛機制と認知的不協和 不安
心理的バイアスを通して物事を見る
前後即因果
決めつけない
こういうやつもいるけど、そうじゃないやつもいる。
必要条件と十分条件の誤解
ミクロとマクロの事象は別個に考える
現実世界では原因があったとして結果が思い通り帰ってくる確率はそんなない。
てるてる坊主つくって雨降らないのと同じくらいの確率(まったく因果がない)
なんか努力か対策したって確率が10%くらい上がるくらい
原因を外に求めるか内に求めるか
(気質の問題、環境の問題)
人は外に原因を求めたがるが、
どちらも同じ程度で考えなければならない。
感情や感覚が人々の判断に影響を与える傾向を指します。例えば、親近感のある人や事柄に対して好意的な判断を下す傾向があるなどが挙げられます。
人々の注意の向きや記憶の偏りが、判断に影響を与える傾向を指します。例えば、目立つものに注意が向きやすいため、見落としやすい情報については判断が歪んでしまう場合があります。
記憶には、真実や信念が混合されたものから成る知識や、
その時の感情に影響されたものからでっち上げられたものもある。
非形式的誤謬と背後にある意図の理解
主観、偏見や先入観にとらわれない
クリティカルシンキング(変な認知バイアスがはいっていないか。慣例通例にも疑問を抱くこと)
表現は意識・無意識下で意図をもって流される
表現には目的がある、情報は目的をもって流されている
情報のバイアスと信頼性の評価
b) 論理知識と方法論
思考の整理と推論のための論理知識
認識、語りの技術
世界の理、物語世界、論理世界は
語りの技術と構造
ここでいう論理は、基本的に世界共通で理解される論理、
「正しい情報を積み重ねて正しい情報を導く」ための形式論理です。
思いつきとは異なる、合理的だと認められる推論方法
一般化された思考法のパターンや定石
他者と自己との間に共通する推論体系としての論理の基礎
現実世界の解釈法・思考法。
自分の頭の中の思考の(内面)世界。
論理的に思考・想像する。筋道の立った合理的な思考力を身につけます。
様々な思考法を適切に使い分け、より合理的な物事の本質の可能性を見定める
1. 演繹的推論
1 命題と前提と結論
2 肯定と否定
3 全称と特称
4 ド・モルガンの法則 連言と選言
5 条件法
1. イコールの関係、対立関係
「=」「≠」「∈」
MECE、場合わけ、列挙
2. 集合と論理
集合と集合関係
「概念」の理解
具体と抽象、因果関係
「⊂、⇒、ならば、IF」
因果、必要条件と十分条件、同値関係
集合と抽象概念、具体
具体例の考え方
具象化(個別化)、抽象化(一般化)することのメリット・デメリット
よくある論理の誤謬
不適切な一般化、論理の飛躍
3. 論理積・論理和
「∧、かつ、AND」「∨、または、OR」
ベン図・表(複数次元)にまとめる。
論理関係、事実の検証、論理パズル
証明方法 (規則)
反例
対偶法
背理法 仮ぎめ(仮定)、場合分け、矛盾(不適)
・数独
因果関係
三段論法、演繹法
論理的に立証すべきことはなにか
逆・裏・対偶 反例を見つける
対照実験 相手と結果が異なること
2. マインドマップ
マインドマップ、リスト、5W1H分析、なぜなぜ分析、
(Mindmeister、Powerpoint)
2. 論理の一貫性
目的と手段(/目標)の区別
手段と目的に一貫性があるか判断
3. 帰納的推論
類推「能力」は想像・発想の項で学習する。
類推 (応用)
解説を見ながら類題(数値替え問題)が解ける
習得した事項の応用、知識を流用する
法則類推
⚪︎→⚫︎、△→?
1. 共通点、類似性「同じ、似ている」の発見: 類推を行うためには、異なる事象や問題の間に共通点や類似点を見つける能力が必要です。共通点を見つけることで、一方の事象や問題の解決策を他方に適用する可能性が高まります。
2. 比較、相違点「違う」の発見: 類推は異なる事象や問題の間の関係性を理解することに依存しています。比較や相違点を発見することは、関連性を見つけるために重要です。
4. 仮説推論、因果に基づく帰納法
帰納法のひとつ。
理由 背景
後ろ向きな原因分析「なぜ」 の推論
後ろ向き→過去・因果の疑問→なぜしかない
仮説形成と検証
仮説を作る時は、「その仮説は正しいか」は考えなくていい。まず、「その仮説は確かめられるか」だけ考えるといい。「良い仮説」っていうのは、「ちゃんと確かめられる、確かめるやり方が明確な仮説」のこと
仮説に反するデータが出た時、きちんと仮説を見直す/放棄する
5. 形式的誤謬
誤った情報
ソースの情報が事実として正しくない
情報の整理と要点抽出
フェイクニュースの識別
ファクトチェックは専門家でも難しい時代になった
情報操作と偏った情報、受動的に情報を受け取ること
情報の信頼性
翻訳の正確性の検証
誇張
現実(リアル)と表現物(フィクション)の違いをわきまえる
客観的な情報・事実/主観的な価値判断・意見の区別
どこがフィクションでどこがノンフィクションかをちゃんと明示する
事実と価値観の区別
意見でしかない
事実にはソースを。意見には「思う」文末表現を。
サンプル1ならサンプル1と表現すること。一般論にするな
情報源の確認
できるだけ一次資料を確認する
有意味な(即ち、真偽について判断を為しうる)命題として形而上学的、あるいは価値的領域(『人生の問題』)を(事実として)語ることができない。論理哲学論考
形式的誤謬がないかを確認(推論=解決策・意見の合理性の検証)
情報の批判的評価
あまりに単純化・抽象化しすぎないこと、具体・個々の事象もよく考える
拡大解釈をしないこと
論理思考のトレーニング
「以下の考え方に形式的誤謬 (論理の飛躍) があるか検証しなさい。」
正誤判定
「以下の内容から論理的に確実にいえること/最も合理的と思われる(適切な)推論を選びなさい。」
+正しく論理思考を使いこなす
c) 物語がもつ説得力、感情面の説得力
d) 論理表現の技術
言語や数理と同じように、論理表現にも
「正確さ」のための論理と「わかりやすさ」のための論理がある
正確な情報伝達のための、共通の論理の型
or
特別の用途に応じた (様々な) 論理表現
渡邉雅子 「論理的思考」の文化的基盤
usage style story「納得の構造」
文章の型、段落構成:起承転結、IMRAD(科学)
「物語」「描写」「説明」「説得」は書き方の基本的なジャンルとして世界共通の型がある一方で、
現状では「小論文」「感想文」「エンシャー」など
地域・国によって思考表現スタイル、論理の型が大きく異なる
プレゼン、演説、スピーチ特有の論理構成もあれば
指示語の把握
接続語の把握
対比概念の『どの要素』が比べられているかの把握
最初と最後にいいたいことを示す、結論から
内容と内容の接続関係
主張と根拠の発見
因果の読み間違え
同じことを繰り返す
こまめにまとめる
+論理の飛躍なく伝える(自分の隠れた前提をみつける)
解釈
内容の正しい解釈ができていること。
論理表現を分析/再統合し、意味を解釈するトレーニング
・物事や情報を単純化し、特徴をわかりやすくして認識すること。
・特に 物事の類似点や相違点を認識すること。
・分析と分類、体系化
トレーニング1:論理構造の整理
論理的な文章の構造を、ロジックツリー等 (構造図) に図式化する
論理の枠組み (論理構造) として捉える A→B→C→D
ロジック図
フローチャート、マトリックス、2x2フレームワーク、ロジックツリー、マインドマップ、方程式、フローチャート、ピラミッド、タイムフロー、カテゴリー分類/リスト化
トレーニング2:長文読解問題
「つぎの文を読んで各問いに答えなさい」
背景知識の必要ない文章
内容全体からみた論理展開
論理が正確に追える、解釈 (読解)・伝達できるようになるトレーニング。
要約(大意、主張の理解)
【キーワード】
リテラシー、伝達、情報の伝達、価値観の共有、数量表現、定量的表現、記述統計、推測統計
【参考文献】
2-1 数理知識
[1] 小学校・中学校・高等学校学習指導要領 数学
[2] 統計検定|日本統計学会
2-2 論理知識
[1] 第 I 部 論理的思考|LAAD ―Liberal Arts and Academic Disciplines―
[2] リーディングスキルテスト (RST)|教育のための科学研究所
【キーワード定義集】
一般的な概念やキーワードは、適当で曖昧に用いられることが多いです。様々な意味に捉えられないよう、この章で適宜用語の意味を明確化し、定義のすり合わせをおこないます。
論理的思考、数学的思考法、すなわち物事を順序立てて考える、精度の高い思考法、などは別項(思考・発想ー様々な思考法)にて扱う。
論理 筋道の通った合理的な思考、推論法。
世間の常識一般ではない。(あまりに広くなる。)
分析 = 物事や情報を単純化し、特徴をわかりやすくして認識すること。
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