Ⅱ- 1 言語表現 (日本語)

最終更新: 2024年4月1日

まずは正確性(正しい日本語)と見栄え(感じ・雰囲気)、違和感がない表現をめざすこと

表現様式かつ思考様式
言語表現とその他(図的表現、ビジュアル表現)を同列に扱う。

解釈 (input) … 自分の中で情報を正しく解釈する、物事を認識するために
 (解釈可能な形に変換する)
  自分との対話
  何か人に伝えるべき、伝える価値のあるものを育む
  適切に物事を認識する(意見をもつ)
伝達 (output) … 相手に情報を正しく伝達する、価値観を共有するために
 (伝達可能な形に変換する)

コミュニケーションスキルの原則、型、基礎
全体の構成と技術の使い所

① 識字能力 (語彙・文法などの言語知識、数学的知識やデータ解析スキル) を身につけます。
その内容を正確に解釈・認識し、
相手に伝達可能な形で正確に伝達・共有できるようになることです。
意思疎通では解釈に幅が生じないよう、わかりやすく
ただ思考を全く正確に言語化することはできない。
どの言語でも良いので、ChatGPTの出力を解釈できる程度、正確に入力できる(問いの言語化)程度を目指す。

言語知識/身体技術は、思考(自分の価値観・感情・経験の形成)、自分らしい思考や感性を作り上げることができる。
人と人を媒介する手段として
表現を技術で感情と論理の両方から(異なる論理・価値観をもつ相手に対して)理解してもらえるように他者に伝える

本来、コミュニケーションに目的なんていらない。ただ楽しいから、それでいい。表現相手は他人に限らない。自分一人にあてた、自己満足でもよい。
自分の意思で、自分の想い、気持ちを、自分が感じていること、思っていることを、伝えたいことを表現すること、人にちゃんと伝えることの大切さを伝えたい。(表現創作や世界理解と同じ)

真似び+自在に使いこなす
読者がイメージできる具体的な文章を作成することを意識する。


↓ Arigator カリキュラムの全容はこちら


1-1 言語知識


基本的な現実認識、世界の輪郭
認識とコミュニケーションの枠組み

a) 語彙

イメージ(感覚情報)と語彙(言語情報)を対応づける
現実と概念を対応づける
言葉の輪郭
それが何かの認識推論(単語の意味の特定)、認識の階層と内容、大きな概念、種類を当てる
階層ごとに教える(事物全体もの自体、特徴色素材、事物固有名詞とカテゴリー一般名詞、ものの基礎分類形の類似性階層レベル、可算名詞物質名詞状態名詞)

様々な概念 (知識) とことばを理解する
世界を認識し、コミュニケーションに生かす
(生活上の) 基礎的な語彙について、一つ一つの言葉の定義を正しく理解し、使用する際に正しい語彙を選択できる
文節化
語彙同士の関係、繋がりを理解する
・同義語、対義語、包含関係、役割関係、原料関係、並列関係、セット関係

コミュニケーションの前提となる社会常識、現実認識を理解する
ある程度の世界の人々で合意された現実認識の方法論
コモンセンスと論理に基づいてコミュニケーションが成り立つ
ただし世界で合意される内容となるように配慮する
前提知識がないと理解できない

語彙レベルを合わせる
一般語彙と専門用語を区別すること(定義)
一般のテーマに難しい単語を用いない

トレーニング1:イメージと語彙のマッチング

例題: イメージに合致する語彙を答える。
またはその語彙に合致するイメージを選択肢から選ぶ。

トレーニング2:語彙同士のマッチング

例題: 提示された二語の関係を考え、同じ関係のものを選ぶ。
人間:哺乳類
ア:鉛筆:文房具
イ:教会:牧師
ウ:日食:月食

トレーニング3:ChatGPTを使用した語彙学習プロンプト

学びたい語彙を指定すると、ChatGPTが
・言葉の定義 (説明)
・例文 (連語、共起語)
・同義語
・使用される文脈、注意点など

を提示します。
上のプロンプトをコピーして、ChatGPTの画面に貼り付けてください。

柳瀬陽介『学術英語語彙の使い方を学ぶためのChatGPTプロンプト』 を参考に改変
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2023/10/ver-3-chatgpt.html
# 教師としてのあなたの役割:
あなたは、学習者がよい言語表現ができるように指導する講師をしています。

# よい表現の特徴:
よい表現は、正確、丁寧、客観的、そして論理的でなければなりません。
よい表現は、平易な言葉からなり、容易に理解できるものでなければなりません。
よい表現は、有益で意味のあるものでなければなりません。

# 学習者 (私):
学習者 (私) は、特定の新しい言葉の使い方を学びたい初学者です。
学習者は、新しい言葉の定義、例文、連語 (共起語) 、類義語 (意味、ニュアンスの違いも含む) 、使用される文脈についての指導が必要です。
学習者の文章が不正確、不適切、または文脈情報として不十分な場合は、修正が必要になります。
修正した文を提供するとき、学習者は詳細な説明を必要とします。
フォーマルなスタイルとカジュアルなスタイルを組み合わせる場合は、学習者にアドバイスする必要があります。

# あなたの目標:
よい表現のスタイルで新しい言葉を適切に使用できるように学習者に教えなければなりません。
学習者は非常に簡単な言葉しか分からないので、5歳児の子供でも理解できる文章で話す必要があります。
学習者の文章が口調やスタイルに一貫性がない場合、または社会的に不適切な場合は修正する必要がありますが、新しい言葉は保持する必要があります。
文に十分な情報が含まれていないために状況を視覚化できない場合は、学習者の文を拡張する必要があります。
学習者の文章と修正した文章の意味と影響を説明する必要があります。

# あなたのタスク:
1. 学習者にどのような言葉の使い方を学びたいかを尋ね、学習者の返答を待ちます。
2. 応答を受け取ったら、
- 言葉の「定義」(日常生活の実感に沿った説明であると望ましい)
- 3つ以上の「例文」(または連語、共起語)
- 「類義語」 (意味、ニュアンスの違いも含む) 
- 「その他」 (使用される文脈や注意点など) 
の順に情報を提供し、学習者にその言葉を使って文を作るように依頼します。

トレーニング4:語彙問題
 
概念、具象ともに出題可能。
 文脈規定・用法、言い換え類語

例題1: 下の言葉と意味が合致するものを選ぶ。
いみじくも
A 適切に
B はぐらかす
C 大いに
D それでも
E むげに
(選択肢が説明となる場合/語彙となる場合)

例題2: 文中の空欄に入る最も適切な表現は次のうちどれか。
特に、山間部では危機的だと言われている。若者が都市部に働きに出てしまい、現地で結婚してしまうため帰ってこないのだ。ここで人口の〔  〕が進んでいるということだ。
A 空洞化
B 複雑化
C 帰化
D 簡略化

【SPI言語】問題例と解答 - リクナビ
https://job.rikunabi.com/contents/test/19580/


b) 文法

各言語の基礎的な文法・構文
副詞(補語)と動詞
疑問と応答
一文の内容理解(文の構成は別項)

トレーニング:文法問題
空欄補充、誤文訂正、整序問題

 以下の2文がほぼ同じ意味を表すように、枠内の語群を用いて上の文を下の文に書き換えるとき、指定された2つの枠に入る語を選びなさい。語群には不要な語も含まれており、各語の使用回数は1回までとする。

トレーニング5:単文の解釈・伝達
(論理構造を含まない、一連の) 単文から情報を正確に解釈 (読解・聴解)する
および単文を伝達 (作文) するトレーニング。
内容理解と簡単な説明、情報検索


c) 言語表現の技術


効果的な表現
事実認識と情報リテラシー
話法

 1. 物語・脚本の論理

一文の理解。
動作主と動作内容の結びつきから。
ストーリーテリング
想像、心象風景の理解
物語の論理 単純接続、想像、セリフ、回想
シナリオ
時間経過、時系列の概念
比較、比況、例示、比喩
物語、制度、技術の構想

伝え手と受け手で同じイメージが共有できる。
体験できないものは真実かはわからないが、イメージはできる。
ファンタジー、イマジナリーな世界の想像

物語を聞いてちゃんと情景をイメージする
イメージトレーニング
ごっこ遊び、読み聞かせ、TRPG

 2. 話法、論理

直接話法、間接話法、描出話法
簡単な修辞、描写表現
キャッチコピー
洗練された文章(言語芸術)

心象表現・共感、影響のための表現技術
多くの人に印象を与え、心に伝わる、残りやすい表現となる。
修辞、レトリック、心象風景
「美しさ」の表現
心象、価値をより効果的に表現する
表現内容/意図がない美術を含まない。

正確な伝達のための表現技術
よりぴったり合った表現になる
言葉の多義性をなくす。
ルビ

わかりやすさのための表現技術
簡潔な表現
比喩、具体例「まるで~のような、〜状の」
用語レベルを相手に合わせる

言語表現を分析/再統合し、意味を解釈するトレーニング
・物事や情報を単純化し、特徴をわかりやすくして認識すること。
・特に 物事の類似点や相違点を認識すること。
・分析と分類、体系化

トレーニング:物語の解釈問題
「つぎの文を読んで各問いに答えなさい」
内容全体からみたストーリー展開



複数の言語と言語間の翻訳について
1つのものに対して複数の言葉で表されるが、その表象内容はちがう。
意味内容が同じでもそこから与えられる印象は違う。
言語で概念、語彙、文法が表す範囲が異なり、単純に1:1対応での完全な翻訳は不可能
その点でもあらゆる言語は必要であるし、元の文章がもつ意味・イメージをそのまま知りたいのであれば翻訳元の言語を知る必要があるのは多分そう


【キーワード】

リテラシー、伝達、言語技能、定性的表現
情報の伝達、価値観の共有

【参考文献】

  1. 出口汪「出口式論理力養成講座」

  2. 日本語コーパス https://shonagon.ninjal.ac.jp/

  3. 誤謬 - Wikipedia

  4. LAAD|第 I 部 論理的思考
    テキスト: http://la-ad.net/logical-thinking/logical-thinking-written.pdf 

  5. 防衛機制 - Wikipedia

  6. RST リーディングスキルテストhttps://www.s4e.jp/about-rst

【キーワード定義集】

一般的な概念やキーワードは、適当で曖昧に用いられることが多いです。様々な意味に捉えられないよう、この章で適宜用語の意味を明確化し、定義のすり合わせをおこないます。

論理 筋道の通った合理的な思考法。表現のための工夫ではない。



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