Ⅰ- 2 注意・記憶

最終更新: 2024年4月1日


集中と記憶
日常生活で様々なことに注意を払い、
経験・知識を再現可能な教訓として記憶できる。


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2-1 注意

脳のリソース、意識を適切に配分する、制御する
その場面に応じて、複数の注意力を適切に使い分けること。

a) 意志・意欲・動機づけ


自己決定理論

内発的動機づけは個人差あり。興味(何を面白いと思うか)でしかない。
・内発的動機づけ/外発的動機づけ 社会規範と市場規範 どっちも大事
・無動機づけ(無気力)/直接的動機づけ/間接的動機づけ 何を目的とみるか 本当の動機は何か
内発的動機づけだって、メンターとか外発的に教えてもらわないと
 納得動機づけ・納得しない動機づけ?
・動機付けは、しばしば直接的要因と間接的要因の両方が組み合わさったものですが、これらの要因の組み合わせの性質は、時間の経過とともに変化することがあります。動機づけの強さは、その時により変化します。研究によると、私たちが楽しんでいるような行動に対し、何らかの外発的強化を受け取る(お金をもらう)と、それらの行動が仕事だと思われるようになり、同じ楽しさを得られなくなってしまいます。過剰正当化効果と呼ばれています(外発的動機付けが与えられると内発的動機付けが低下します)。間接的要因に注意が向いてしまうからかな?
有形の報酬(お金)は、無形の報酬(褒め言葉)よりも内発的動機付けに悪影響を及ぼす傾向があります。さらに、個人の外発的動機付けへの期待と実際とのギャップも重要です。

達成(満足)させたい欲求
人生でやりたいこと(欲求)ができれはそれが目的になる。その目的に向けて手段を講じていく
感情は自然発生的なものなんで、たぶん目的立てろって言われて立てるもんじゃない
何に楽しみを見出すか。欲がなければそれでいいし、欲が出ちゃえば達成したいよね
瞬間瞬間の欲に沿って生きるか、大きい欲、夢に向けて真面目に筋道立てて達成するか

(1) 好奇心、やる気、意欲

意欲を出させるため外的干渉を適宜行うことで、好奇心、探究心を引き出す
やりたいと思わせる
基本的には自分でやる気が沸いたことにリソースを割いたほうがいい。

行動マインドセット(自己啓発)。
情熱、高揚感、ワクワク感
or 怒り(そっかぁ…)
衝動 勇気

1 自発的な意欲 (興味、好奇心、楽しい)
2 必要性
3 向上心

他者にも社会や世界にも意欲・好奇心をもつと世界理解がしやすい
なんとなく面白がる
自分の目的に対して、必要性のないことを敢えてやろうというふうに人間はできていない
・「向上心」自己成長 目的を立てる これをしないと終わる、無理やり奮わせる、環境が大事
「やる気を出せ」と言うな。やる気は自分から出るもんじゃない。出させろ。
勉強、世界理解だって、意欲や向上心がないと学べない。
ある何かに強烈な興味や意欲、必要性が沸かない限り、目的は生まれないし、行動にはうつらない
想像できないことに意欲はでない
どっちか頑張って作る


b) 注意

 1. 選択的注意


複数の物の中から、適切な対象を選び注意を向ける

没頭と集中
優先順位がわかる
広く全体を見渡すことも集中。全体を把握すること
そもそも注意散漫で集中ができない
ある特定の内容に対して意識を集中させる力

加えて学習特性というものもあり、一人で勉強(集中)をするのが向いている子どももいれば、複数人で話しながら勉強(集中)した方が良い子どももいて、また、教員から説明を受けるだけで内容が身につく子どももいれば、教員から一方的に教わるのが向いていない子どももいます。朝型とか夜型とかもあります。

だから作業をする前に、悩みや迷いを全てノートに書き出す時間を設けて、作業すときは作業にだけ集中する。不安や悩みは文字に起こして視覚化することでウソの様に消えていく。
あらかじめTodoリストを作っておき、淡々とこなす
スマホはしまっておく

学習方法の正解は1つじゃありません。
学習するときの(座学)姿勢ー集中力upのための姿勢

いろんなことに注意が向く(散漫)状態のメリットはあるのか?

・フラッシュカード法
脳のリソースを記憶に集中させ、短時間で大量の情報をインプットする

多くの情報の中から、今必要な情報だけを選ぶ、という能力が低下し、いろいろなものに反応する。隣の人の作業が気になって、自分のことをせずに隣の人に口出しする。
対応のポイント
隣の人と仕切りを作って見えないようにするなど、気が散る原因を取り除く。


 2. 配分的注意


複数の対象に、同時に注意を向ける

マルチタスク
注意深い、肝心なところでうっかりミスしない注意力
眼前に取り組みながらも次を見てること
シングルタスクで取り組めばよい。

3人以上で会話をするとか、助手席の人と会話をしながら運転する、ということが難しくなる。
対応のポイント
なるべく一つずつやるようにする。
タスク管理
うっかりミスをしない


 3. 持続的注意


特定の対象に向けた注意を持続させる

集中が続かない
一つのことに集中するには適度な休憩(30分毎に5分程度)が必要。
タスクの切り替えにも、気力や再立ち上げのためのコストがかかるので、ある程度の長さをかけて1つのタスクを行い、適宜タスクを切り替える
25分の集中と、5分の休憩を繰り返す。短時間の集中を繰り返すことで、結果的に長く勉強できる。
(ポモドーロテクニック)
集中するためには環境を整えることも有効。
適宜リラックスするなど
「A」を書き続ける

効率的な作業とは、
「朝起きて直ぐに“最も重い作業”に取り組み、4時間以内で沈める。充分な休息を挟んだ後単純作業は2時間で沈める。残り18時間は全て休憩」
人間の集中力は4時間が限界と言われています。

「最後まで忘れずに注意を怠らない」
チェックをきちんとする

注意力や集中力を持続させて一つのことを続ける、ということができなくなる。疲れやすい(易疲労性)ために途中で投げ出し、周りからは飽きっぽいという印象を持たれます。
対応のポイント
こまめに休憩が取れるようなスケジュールを組むようにする。


 4. 注意の転換


注意を向けた対象から、別の対象へと注意を切り替える

複数のタスクに対して瞬時に注意を切り替える力
タスクの切り替えにコストがかかる
最後に思い出すべきことを思い出すとか
タスクの優先順位に従って
オンとオフの切り替え

ひとつのことに注意を向けているときに、他の別のことに気付いて注意を切り替える、という能力が低下する。パソコンを操作しているときに電話が鳴っても気づかないとか、電話が終わった後も電話のことに注意が行ったままで、なかなかパソコン作業に戻れない。
対応のポイント
周囲の協力で、注意の転換が必要ない環境を作る。パソコン操作をしているときは電話に出る必要が無い状況にするなど。



2-2 記憶

(指定された) 特定の情報を 自分の知識として身につけ、活用できるようにすること。
記憶・想起できる。思い出せる。(長期記憶の想起は別項)
大切な思い出を残しておくための作業

インプットとアウトプット
経験と知識(学習)。

経験した感動を忘れないでほしい
自分の想像は、自分の記憶の引き出しからしか出ない
興味あることだけ記憶してると将来困る

記憶を強化するコツを理解し、効率よく記憶しましょう。
記憶は、注意と集中を多分に要する作業です。
ぼーっと吸収するのでは記憶できないので、内容を記憶しようと意識し、対峙すること。

(1) 知識の種類

意味記憶(知識記憶)
・学習で覚えていく。思い出しにくい。
エピソード記憶(経験記憶)
・自分の実際の経験・体験の記憶。思い出しやすい。
方法記憶
・無意識に体で覚える。一度覚えると忘れにくい。(自転車の乗り方など)

(2) 記憶のプロセス

記銘
・情報を自分の脳に取り込む。
保持
・脳に情報を長期的に保存する。
想起
・その目的や状況に応じて適切な情報を取り出す。

・情報の内容自体よりも(でなく)「情報の保存場所」を覚える習性がある。 
あと順序で並べかえる
こちらの方が憶えやすい
情報量は、辞書、目次よりも索引の方が小さくてすむ。


a) 陳述記憶

 1. 意味記憶

情報に意味を付け加え、知識にすることで、記憶の定着をはかる。
自力で想起でき、一から生み出せる、使いこなせるための強度のある定着

(1) 記憶する情報を限定する
・隅から隅まで覚えることは不可能。
・特に注目すべき内容を明確にし、必要な部分だけに集中する。

(2) 知識の分析/体系化
・一つ一つの意味を理解するか、大まかな流れを記憶するか。
・リスト/カテゴリーは全数を覚えておく。

(3) イメージ記憶
・記憶する内容を対応するイメージと関連づけて覚える。
ストーリー記憶
・関係のない内容どうしを、想像により物語調にすることで関連づける。
メモリーパレス法
・数字と場所を想像で関連づけ、意味の無い情報(数字)に意味を与える。

(4) 反復
忘却曲線
・一度見ただけで全ての内容を覚えることは不可能。何度も接する。
・間隔を空けて、忘れる前に記憶を思い返すことを繰り返す。
・徐々に復習の間隔を伸ばす。
インプット
・リズムや歌に乗せて声に出す。
・記憶する内容を書き出して覚える。綺麗に書く必要はない。
・いろいろな環境で勉強する。
アウトプット
・知識の習得はただインプットしてるだけでは身につかない。
・実践に近い形式で行うと良い。
・テスト効果 (テスト、問題演習、クイズを解く)
・自分で説明できること。

正確なアウトプットができるか
教わった内容を自分で再現できる
まずは一つずつの知識をちゃんと使える力

意味記憶トレーニング:
真似(模倣、再現)、短期記憶 (即時想起)、長期記憶 (遅延想起)
・言語 (数字・単語・文章)・イラスト・音など、様々な内容の記憶トレーニング
  → 配列記憶 (カード記憶、選択式、入力式、復唱、神経衰弱)
  → 順番記憶 (タイル記憶、大小比較)
  → 文章記憶 (暗唱)
  → 言語知識 (語彙、単純計算)
・記憶する内容の理解による長期記憶
円周率記憶するのはコスパ悪い
要らないことは忘れてもいい
人やものの名前を覚える。
非言語情報(感覚情報等)も言語化すると覚えやすくなる
何も見ないでネコを描けるか
昨日の晩御飯とか、注意していないと覚えていない

想起トレーニング
物(回答) → 特徴(出題) → …で想起ラリー(マジカルバナナ) 
少しずつより大きいものを挙げていくゲーム
特定の特徴をもつものを出来るだけ多く列挙する


 2. エピソード記憶

自分の経験・思い出として記憶に定着させていく。
思い返しをする作業により、思い出が定着する。
現実に自分におきたことを記憶し直す作業
百聞は一見に如かず


b) 非陳述記憶

 1. 方法記憶

身体動作・技術の記憶。
手先の技術記憶
どこに想起するかって大切かもね
意識を頭に向けるか(字の書き方、字のイメージ)、紙に向けるか
決まった作法・論法・手順どおりに自分で組み合わせながら作業する

方法記憶トレーニング:
真似(模倣、再現)、短期記憶 (即時想起)、長期記憶 (遅延想起)
 ダンス、身体動作の流れ
 潜在記憶


c) 記憶のアーカイブ


記憶をどこかにアーカイブしておくこと
・記憶の取っ掛かりになるように記録する
・重要なことはメモや日記に書き留めておく
・ネットワークの知識
・思いついたことはメモにとっておくことも重要。



【キーワード】

IQ (知能)、集中、記憶、学習、知識、経験

【参考文献】

  1. あなたをブランドにする思考法 カテゴリーの記事一覧

  2. IB TOK (知の理論)

  3. Lumosity

  4. 池田義博

  5. 思考の整理学、忘却の整理学

  6. 教養としての認知科学

  7. 記憶のベーシックス(鈴木宏昭)

  8. 注意力不足!4種類の注意障害について理解する|交通事故SC

  9. 成功者が結果を生み続ける【たった一つの作業姿勢】#39

  10. https://www.bousaihaku.com/wp/wp-content/uploads/2017/03/k03.pdf


【キーワード定義集】

一般的な概念やキーワードは、適当で曖昧に用いられることが多いです。様々な意味に捉えられないよう、この章で適宜用語の意味を明確化し、定義のすり合わせをおこないます。



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