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本という栄養

村上春樹さんの小説を初めて読んだきっかけは、10代後半あたり。当時の親友の女の子に薦められてでした。
(彼女はいろんな素晴らしいところがあったけど、その一つに好き嫌いをはっきり言う分、好きなものを語ると人にも面白そうだな。と感じさせる力があった。もう疎遠になって久しい。出会いに感謝しています。)

確か、教科書に少しだけ載っていた“レキシントンの幽霊“を彼女は全部読んでいて
抜粋された部分では分からない、物語の素晴らしさと著者の力量を絶賛した。

へぇー。と話を聞いていたわたしはさっそく一冊を読み始め
多くの読者と同じく、あっという間にその世界に引き込まれていった。
もうほんとに次から次に、TOPSのチョコレートケーキを食べるときみたいにむしゃむしゃ読んだ。

何年か毎に同じ本を読み返したり、新刊を読んだりするうち
大人だと憧れていた主人公たちの年齢をとっくに超えてしまった。
今読むと、クールで自信に満ちている「僕」は、
温かな関係や励ましを求める、わたしと同じ寂しさや強さを持った人間に映った。

直接人とうまく関われないとき、気持ちをうまく言葉にできないとき
本を読むことで、わたしは物語を紡いだ著者と関わり合い
その物語に含まれる人々や、その歴史を共有したんじゃないかな。と思います。
そのことはわたしを実際に温め、切なくさせ、たくさんの経験をさせてくれました。

春樹さんの他にも、大好きな作家さんや物語がまだまだあって
最近、遠方に住む友達に薦めてもらった上橋菜穂子さんの守り人シリーズも今の楽しみの一つです✨




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