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ゼロ吉たちのキャラデザの流れ【ようかいとりものちょう】

 前回と引き続きキャラデザについてです。

 作画とデザインをする立場から ありが が考えている意見、シナリオを前提で考えている大崎さんの意見、本にして子供たちに届けるのに相応しいか等々考えている岩崎書店の編集さんの意見をそれぞれ戦い合わせながら進めていきます。
 ゼロ吉は主人公の相棒となるキャラクターで、デザインが決まるまで紆余曲折ありました。


 今回はゼロ吉と妹のおいちのキャラデザインの流れと、ゼロ吉が表紙を飾っている2巻の表紙カラーを決定前のラフ交えて紹介します。
 デザインの迷走を含めてお楽しみください。

ゼロ吉 と おいち

シナリオを読んでから最初にとりあえず描いたゼロ吉
ハリネズミのハリを細かくビッチリ描くと絵がうるさくなると思い
部分的にハリの意匠として、額~眉毛位置にトゲトゲを入れています
そして我ながら、これはちょっと違うな…と思ってます
妖術を使う時などに頭髪が硬くなって尖れば
いいんじゃないかと思って一旦この状態に
話的には妹とゼロ吉の話なので
妹である おいち も一緒にデザインしはじめます
並べたらこんな感じ
覆面が必要だったのでどうしよう…と目元を隠しました
ちょっと仮面の忍者赤影ぽいイメージでした
ふたりを並べてみる

 ここで一旦、編集さんに提出して大崎さんとの意見をいただいたのですが

・あまりにも髪の毛すぎて「ハリネズミ」ぽくないのでは
・目元を隠すマスクは怪傑ゾロのように見える、もっと忍者頭巾っぽく

 と戻ってきたので、その意見を元に再度まとめていきます。

忍者ぽく…
頭巾、と言われたものの頭髪はハリネズミなので
顔前面を覆う覆面のようになりました
覆面、頭巾の方向性を探り中
頭の髪の毛をピンピン立ててハリネズミぽく…
でもこれだと線が多すぎる気がするんですよね
おいち は黒目勝ちの目に
ふたりを並べてみる
コン七、お六と並べてバランスを確認
彩乃さんからのゼロ吉とおいち案
いつもありがとう

 そして提出して意見が戻ってくるのですが

・肌はグレーよりも肌色系にした方が子供から見ても親しみやすくなるのでは
・覆面の方向はこの感じで

 とのことでした。
 私はゼロ吉兄妹は人ではなく動物系ベース妖怪なので、どちらかと言えばなるべく人っぽくない方向にまとめた方が良いだろうと考えていました。
 戻ってきた意見を元に更にデザインを詰めていきます。

妹な割に おいち が大きすぎる(コン七やお六に比べても)と思ったのと
「親しみやすく」と言われていたので、ここで一旦おいちが縮まります
そしたら「おいちのデザインは前の感じが良いです」と返事がきました
難しい…
おいちはこれでほぼ決まりました
ゼロ吉はほぼ決まったのですが、服装をどうするか悩んでます
ラストシーン用の衣装も同時に考えています(これは没案)
コン七、お六と並べてバランスを確認
ゼロ吉は本番でもう少し服装をブラッシュアップしますが
これで大体OKとの返答をもらいました
ゼロ吉、衣装含めて完成!

2巻表紙

2巻表紙、最初期案
編集さんから、ゼロ吉はシルエットではなく大きく、
コン七は手から狐火を出してほしいというリクエストがきました
意見を元に修正、ゼロ吉はいいけど狐火はもっとこっちに向けて
ブワーっと撃ってほしいというリクエストが来ました
線の清書をしながら調整
狐火はあまり大きいと色的にも散漫になりそうなので難しいですね
彩乃さんに着彩してもらい、ロゴやデザインが入って完成!

 ロゴ無しの表紙は、ようかいとりものちょう特集サイトでノンテロップの表紙絵ギャラリーとして紹介されているのでよろしければ見てください。

▼電子書籍版も出てます▼

▼LINEスタンプも販売中▼


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