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オタクとオタクが結婚しました~互いのスキを尊重しあう~

私は特撮と90年代アニメと男性アイドル(最近は女性アイドルも)が好きでたまらない、いわゆるオタクである。

そして、夫は特撮と90年代アニメと女性アイドルが好きでたまらない、こちらもいわゆるオタクである。

私たちは5年前、有名マッチングアプリで出会い、結婚した。

オタクとオタクが結婚すること、それは私にとって理想的な結婚だった。
勿論、実際ともに生活をしていてオタク同士だから理解し合えることも多く
オタクと結婚してよかったなあと思っているのだが、
もし、このブログに辿りついた結婚を考えているオタクさんがいらっしゃるのであればオタクだからこそぶつかるこんな注意点があるよ、という話を少し書きたいと思う。

◇推しについて同じベクトルであるとは限らない

私たち夫婦は色々なもののオタクではあるが、メインはアイドルだ。
出会った頃は、同じアイドル好きならいろんなこと共感できるだろうなあと期待していた。

私は一人の推しができると、割とその推しがしぬまで追いかけたいタイプだ。(推しグループは26年推している)
大人数のアイドルが出演するイベントなんかがあっても、他のグループ(まして今が旬の若いグループ)なんぞがいても正直、あまり関係ない。
とにかく推ししか見ないタイプだ。

しかし夫は真逆である。
言い方でいえば箱推しに近いのだが、箱推しですらない、界隈推し、と言った方が正しい気がする。
例えばAKB系列やハロプロにハマると、このグループの〇〇ちゃんが好き!という情熱よりも
「△△グループの新メンバーが出る!熱いじゃん!」
「あ、××グループの●●ちゃんめちゃくちゃカワイイ!」
「◆◆グループの新曲の映像ばっか繰り返し見ちゃうなあ~」

と、モリモリDD(誰でも大好き)タイプなのである。

夫と出会うまでの私は実のところ、このDDタイプが苦手だった。
「推しを大切に想うことがオタクなんじゃないの?」
「あんた、可愛けりゃ誰でもいいんじゃん!」
と、割とキレていた(笑)
夫のようなタイプは推しがグループを卒業すると、自分もその子を推すのを卒業し、また若いメンバーへ移っていく。
生粋のジャニオタからすると、担降り(その人のファンを辞めること)は
わざわざ周りの友人に泣きながら報告したり、
なんなら担降りしたいけど担当(推し)への情が強すぎて降りれない…ような世界なので
正直、夫のような考え方がしばらく理解できなかった。


ここまで書くと、夫の考え方が良くないように見えるが、決してそれだけではない。
私たちのようなジャニオタに多い、「一生愛していきます」タイプは非常に厄介なオタクになることもある。

推しへのこだわりが強すぎるのだ。
推しはダンスが得意なのにこんなバラエティに出さないで!
事務所から推されてる●●くんより推しの方が実力あるのに!事務所のやり方納得いかない!などだ。

こういう愚痴を夫に話すと、夫は大体こう返す。

「僕にとって推しが“そこ”でキラキラ輝いていたら僕はそれでいい」

私はその言葉を聞くとハッとするのだ。
夫の推し方は完全に健全で、害悪みが全く無い。
彼は決してポンポン好き勝手推しているわけではなく、瞬間瞬間のアイドルのときめきに、自分に正直に夢中になっている。

そして魅力的なアイドルがたくさんいるからこそ、そのたびに夢中になる相手が変わっていくだけなのだ。

◇同じなのはオタクであることだけ、考え方は人それぞれ


この気づきは、私の中でかなり大きかった。
オタクで30過ぎまで独身だと、自分の中のルールが凝り固まってくる。


アイドルに関わらず、アニメであれ、特撮であれ、
「このアニメの構成が気に食わん」
「この特撮ヒーローの造形がダサい!」

と一人が言ったとしても
「そのアニメのキャラクター設定が最高!」
「その特撮ヒーローの脚本が大好き」

と感じる人もいる。

ここで必要なのは「きみ、作品をわかってないねえ」とマウントとることではなく
そうか、自分以外の人はこんな風に作品(推し)を見てる人もいるのか。
新しい発見だな、と受け入れることなのだ。

この受け入れる行為は、男女問わず結構難しい。
作品(推し)を愛していればいるほどに、だ。

特に男性に多いのが(特撮ファンなら特に)
女性オタクが作品の感想を言った時に「あの作品をチェックしてないならまだにわかだなあ」みたいな
知識マウントをとるパターンである。
でも言われた女性オタクは、シリーズが好きなんじゃなく、その作品だけが好きなのかもしれない。
自分の中での楽しみ方があるのかもしれない。
それをお互いに理解し合ってみようとすることがオタク同士の恋愛には必要なのではないかと思う。

◇出だしで話が合わなくても諦めないこと

オタクがオタクと結婚したいと思う際、どうしても趣味の部分が合うかばかりを気にしてしまうと思うが
実際、結婚するということは趣味以外の話をする時間を方が増えてくると思う。
式をするしない、親への挨拶、日々の献立、お互いの仕事、子供、家を買う、借りる、引越、家計・・・
結局、その時に大切になるのは上記で書いたようなお互いを理解し合うということだ。

あなたがマッチングアプリやオタクコンパで知り合った相手と作品への考え方が違った際に
「こいつ、あのアニメ面白いとか言ってんの、センス無えwwwwwwwww」と思うのか、
「あのアニメ面白いと思うのは何でなんだろう?好きなポイントを聴いてみよう」と思うのか。
後者の歩み寄りこそが実際の結婚生活でも大切になってくると思う。(もちろん、嫌いな作品を好きになる必要はないのだが)

我が家はいま、夫婦そろってハロープロジェクトにドはまりしている。
相変わらず推し方は全く違う。
私は激推しちゃんがいて、その子のことばかり見ている。
動画を見ていても「●●ちゃん最高、好き!リアコ!」と延々叫んでいるが
夫は「このグループ可愛いなあ、このグループやばいなあ」と色々見ている。

でもどちらも間違っていない。
でもどちらもハロプロが大好きだ、それでいい。

こだわりの強いオタク同士だからこそ、相手と対峙する際はこだわりを押し付けない。
簡単そうでとても難しいその行為をできるかできないかで、オタク婚活の成功率が変わっていくんじゃないだろうか。~完~


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