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ミシンが直って嬉しそうな母とディレクションにつまづく娘。

こんばんは。
すでに夕方ですが、外は「青空」です。お月さまも綺麗に昇ってとても不思議なお空。今日も一日お疲れさまでした。

さて今日は、母とのやり取りにお腹を抱えて笑ってしまったので、書いていこうと思います。

新年早々、なんとも可愛い柄の風呂敷と、可愛いカタチのバッグに出会い、嬉しくなってしまった私は「この風呂敷がこのカタチのバッグだったら、どんなに可愛いのだろうか?」と、ふと思いました。

そこで思い浮かんだのは、わたしの母。

母は「被服科」という「お洋服をつくる学科」がある高校を卒業してることもあり、お裁縫が得意です。小さい頃は、可愛いワンピースや幼稚園バッグなんかを作ってくれました。

「頼るべきは母だな」とばかりLINEをしてみたところ、お正月のお休みも長く暇だったようで、作れるか試してみてくれるとのこと。それでいて、どこか嬉しそうな「OK!」の返事が返ってきました。

そのあと母は、すぐに手芸屋さんへ布を買いに行ったようで、ものすごい早さで「試作」をあげてました。

で、私は驚愕しました。

「全然違うデザインの物があがってきたー!w」

なぜ母はそれを選んだのか!?っと、詳しくヒアリングしたくなるほど、みごとに私のイメージとは全然違うデザインと、生地感で仕上げられたバッグの写真が送られてきたのです。

私は「クリエイティブディレクター」というカテゴリーでも、お仕事をしています。

ブランドのイメージや商品企画を作ったり、販売の方向性をとりまとめたり、仕様書を作って、画像をデザイナーさんに作ってもらうような仕事です。

この仕事が、私は大好きで、得意な分野でもあります。それが得意だと気づくまで、たくさんの失敗と成功も繰り返して、自分の感覚や考え方に自信が持てるように、数年かけてコツコツと築き上げてきたものです。

なので今回のように、誰かに何かを依頼したときに「自分のイメージと全然違うデザインが上がってくる」というのは、明らかにディレクション側の伝え方が悪い結果なんですね。

なので、「まさか、母のディレクションにつまづくとは…..」と、送られてきた試作品の写真に笑いがこらえきれず、電話をかけました。

母が言うには、「ミシン」が直って嬉しくなってしまったそう。

ちょうど母が結婚したときに買った「大切なミシン」が先日壊れ、修理に出したところ、「年季も入っているし、もしかしたら直らないかもしれない」そう言われたそうです。

でも、それがしっかりと直って戻ってきたのです。

それが、私がLINEをする数日前のこと。

ダメかも…と諦めていたお気に入りのミシンが、ちゃんと修理され戻ってきたから、「何か作ってみたくなっちゃった欲」に満ち溢れていた、まさにそのタイミングで、私がLINEをしてしまい、母のテンションはマックスに。

久々に手芸屋さんに行ったのも、とてもとても楽しかったそうで、こんな「手作りバッグが流行ってるそうよ~」とばかりに、私の依頼したバッグにものすごいアレンジが加えられ、結果、全然違うデザインが完成したという話でした。

母本人からも「面倒した割には、可愛くなかったわ!普通の生地の方がいいわ!」という感想を頂き、お腹を抱えるほど笑ってしまいました。

母の状況も理解し、気持ちはよくわかるけど「シンプルイズベスト」だよ。とデザインの方向性と布の素材などをすり合わせ、終話となったのです。

あと1年ほどで、仕事も定年となる母。

仕事を引退したら、「ボケ防止」の意味も含めて、大好きなミシンでお裁縫を好きなようにやってもらえたら嬉しいなと思っています。そして、私は母が作るハンドメイド作品を販売できたらなーと考えています。

生まれてくる時代が少し違えば、「自分の得意」が仕事や副業になったのかと思う母のハンドメイド。それが出来ていたら、生き方も大きく違ったのだと思います。

そういったことが気軽にできる環境やツールがそろう今の時代、母と娘で作るネットショップなんかができたら、親孝行の一つにもなるかなと。

今はまだ、次の母の「試作」に期待している所です。

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