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文法的な正しさより、現実の正しさ

こんにちは!英会話習得アドバイザーのArisaです。

今日は、文法的な正しさより、現実の正しさというタイトルでお話をしていきます。

私たち日本人は、中学校、高校で主に英語の文法を習います。その理解度がテストによって評価され、「英語が出来る子」「英語が出来ない子」にジャッジされる側面がありますよね。

なので、英語での会話をしていくときも、自分が話す英語に「英語の組み立て方に間違いがないか」それを一々気にしがちです。

この視点は、英語で文章を作って、書いていくときには、上達するためにも、絶対持っていた方が良いのですが、会話となると別の視点が必要になります。その視点が「現実的な正しさ」です。


文法的に不正解でも使われる英語

例えば下記のように、「She が主語になる場合は、Doではなく、Does がセットになる」そう、中学校で習いますよね。


👨 Does she live in Canada?
👩 No, she doesn't

この例文で、Do や don't を使うと、
テストでは間違いなく不正解となります。


しかしながら、現実の英会話では 「don't」が、普通に使われてもいるのです。

皆さんは、アメリカの歌手 Bruno Mars をご存知でしょうか? 彼のヒットソングの中に「Just The Way You Are」という曲があります。

その歌詞でも実は、doesn't を使うべき所で、don't が使われているのです。

And its so, its so sad to think she don’t see what I see

※ちょうど歌われているところのリンクを挿入したので、興味がある方は聞いてみてくださいね。

これはひとつの例ですが、言葉は常に変化しています

文法的には正しくありませんが、ネイティブ間では話し言葉として、違和感なく使われているのが現実になります。


新人のオーストラリア人講師が迷った添削

反対に文法が合っていたとしても、「違和感を感じる文章」を作ってしまうことが、日本人には起こりがちです。

I've drank orange juice.
(私は、オレンジジュースを飲んだことがあります。)

上記の文章は、子どもの英会話スクールを運営する会社で務めていた時に、小学校5年生の生徒が、宿題で作ってきた文章です。

Have + 過去分詞 の使い方をレッスンで習い、それを使って例文を作ってくる。という宿題でした。

たまたまその日は、代理の先生がそのクラスを担当。オーストラリア人の講師で、学生をやりながら、英語を教えるバイトをしている新人の先生

新人講師なので、私は授業を見守っていました。すると、その例文が書かれたノートを先生が私の所に持ってきて、こう尋ねたのです。

Is this correct !?
「これは〇にしていいのか?」


I've drank orange juice.

この文章に、文法的な間違いはありません。なので、文法ベースでは正解になります。しかし、その先生がジャッジに迷ってる理由を聞いてみると、「普通は、使わない」とのことでした。

たしかに、この世に生まれてから一度も、「オレンジジュースを飲んだことがない人」を見つけるほうが、難しいと思いませんか?

みんなが当たり前にしてる経験になるので、そのフレーズを日常会話の中で口にする機会がありません。

・私は、息をしたことがあります。
・私は、走ったことがあります。
・私は、傘をさしたことがあります。

日本語でも、こういった文章を作れますし、間違いは何もないですよね。しかし日本語ネイティブある私たちには、「いつ使うの?」という違和感があるはずです。

つまり、単語のチョイスが、現実に使われている文章にマッチしていないということなのです。

まだ、レッスンに慣れていない先生だったので、素直に違和感を感じるなぁ。と思ったのだと思います。スクールは、英語の文法を教える場所でもあるので、その文章は〇にしてもらいました。


現実の正しさこそ、ネイティブから学ぶべきこと

日本だと、文法的な正しさを元に、英作文をさせられることが多いですが、実際に英語を使っていきたい場合は、英語で会話して生活している人達が、どのように英語を使っているのか?

どのようなフレーズで
どのような単語が
どんな風に用いられているか?

まずは、この例をたくさん見ることをおすすめします。

下記は一時期、Twitterで話題になっていたネタです。

「合ってるけど、こうは言わないね」という良い例です。つまり、英文を組み立てられても、実践で使えない英語ということになります。


瞬間英作文なども流行っていますが、ビギナーさんに対しては、私はあまりおすすめ出来ません。

その時間があるなら、ネイティブが作成した「生きてる文章」を理解して、まずはそのまま覚えてしまった方が、確実に使えるようになります。単語も覚えられるし、文章を組み立てるための土台が自分の中で出来ます。

「無」の状態からは、やはり何も生み出せません。

表現を増やし、伝えられることを増やしていくために、文法的な正しさだけを追っても限界があるものです。実際にどう使われいるのか?の「現実の正しさ」にもフォーカスしてみてくださいね。

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