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プロポーザルのリ・デザイン

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2023年3月の記事一覧

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#005:実績はどこまで遡るべきか

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#005:実績はどこまで遡るべきか

#004 では従来の「公共建築」実績を「公共的建築」実績と明示的に読み替えることを述べましたが、ではその実績はいつの実績まで含むのがいいのでしょうか。これもよく問われることです。

これも絶対的なルールがあるわけではないと思いますが、遡っても竣工から25年程度までが妥当と私は考えています。理由は明確で、公益社団法人日本建築家協会(JIA)による

・JIA25年賞・JIA25年建築選
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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編02>:官公庁施設の設計業務に関する実態調査

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編02>:官公庁施設の設計業務に関する実態調査

備忘を兼ねて番外編をもう1本。もう25年前から発行し続けているメールマガジンがありまして、来週そこでも紹介するのですが、先行してここで紹介しておきたい調査があります。

・ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)
https://www.arg.ne.jp/

それが、

・官公庁施設の設計業務に関する実態調査
https://www.mlit.go.jp/gobuild/sekk

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編01>:長与町新図書館等複合施設設計業務に係る公募型プロポーザル(2023年1月~3月)

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編01>:長与町新図書館等複合施設設計業務に係る公募型プロポーザル(2023年1月~3月)

005の前に番外編です。

私が業務として企画・実施を支援してきた

・長与町新図書館等複合施設設計業務に係る公募型プロポーザル
https://webtown.nagayo.jp/kiji0034204/

が終わりました。このような設計者プロポーザルを支援するのは6回目となります。これまでの5例は以下のとおりです。

新智頭図書館設計者選定公募型プロポーザル(2018年5月公告、2018年7月

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#003:実績をどう評価するか

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#003:実績をどう評価するか

前回から少し時間が経ってしまいましたが、続きます。今回から何回か、設計者に求める実績について考えます。はたして設計者の実績をどう評価するのがよいのでしょうか。

一般的に公共建築の設計(者)プロポーザルでは、参加資格要件の1つとしてこれまでの建築・設計実績を求めます。しかし、満たす実績の要求が高くなればなるほど、そのプロポーザルは排他的なものとなってしまいます。実際、日々プロポーザルをチェックして

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#004:「公共建築」実績を拡張する

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#004:「公共建築」実績を拡張する

実績の話を続けます。
今回話題にするのは、よく実績条件に設定される「公共建築」の定義です。設計者に求める実績として、「公共建築」である施設の設計経験があります。「公共建築」かつ「図書館」かつ「延床面積○◯平米」といった要件は極めて一般的です。さて、この「公共建築」とは何を指すのでしょうか。

まず最初に思いつくのは、国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」でしょうか。あるいはその名もズ

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