記事一覧
第1回歌舞伎町文学賞 大賞受賞作 『サビオ』 雨宮美奈子
サビオ 雨宮美奈子
午前3時。今は深夜なのか、もうすぐ朝なのか。
この時間に歌舞伎町ゴジラ前の『きづなすし』のカウンターで、眩しい蛍光灯に目をチカチカさせながら食べる寿司は、なぜだか妙に美味しい。
「ねえ、知ってる?」
いくらの軍艦の上に乗るいくらだけを、なぜか一粒ずつ箸でちまちまと食べながら、マイコは本当にどうでもよさそうに、横にいる僕に目線も合わせずに話し始めた。
「この店
わたしはメンヘラじゃあ、ない【メンヘラリティ・スカイ寄稿文】
※ こちらの記事は200円で販売させていただいていましたが、販売期間を終えたので値段を吊り上げさせていただいております。(購入者のために消さないようにしております、ご容赦ください)
手首をきる、わけじゃあない。
オーバードーズして運ばれるわけでもなければ、
精神科に入れられたこともあるわけじゃあ、ない。
それでも過去の恋人たちに、わたしはどうして、
どうして『メンヘラ』だって言われなくちゃあ
母と娘なんか、仲良しなもんか
母と娘が、心の底から憎しみあわずに美しく、それはもう美しく『理想的な母と娘』として心から通じ合うようになれるのって、いつになればなれるんだろうか。母が私を産み落としてくれて、その瞬間から母と娘になるけれど、そこから何年経ったらなれるんだろうか?つまりわたしが何歳になれば、なれるもの、なんだろうか?
台所に立つ母を娘は素直に尊敬し、愛らしい娘を母は愛でる。
そんなまるでマイホームを持ちましょう、