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バリューアップDXこそが真のDX。自社のコア技術はSaaS化しよう。

前回の記事では統合型ERPパッケージをやめて、アプリ(それぞれの業務に特化したツール)をAPIで連携することが、レガシーシステムから脱却する第一歩だと解説しました。

この記事では、ERPパッケージから脱却した後の第2ステップについて解説していきます。

<前回記事>
■レガシーシステムから脱却し、経営を変革せよ
https://note.com/arent3d/n/n5196395445d4

置き換えられないコア技術は自社で開発を!

統合型ERPパッケージをやめて、アプリ(それぞれの業務に特化したツール)を導入していくと、どうしても既存SaaSで置き換えられない業務が出てきます。

それは、自社の「コア技術」です。
伝家の宝刀と言える自社のノウハウは、既存のSaaSに置き換えることは出来ません。

自社のコア技術がわかったら、そのコア部分だけを開発すればよいのです。
そしてそのコアシステムも他の業務アプリと連携させるのです。

コア技術を開発するとバリューアップする

コア技術を開発すると何が良いのか、わかりやすい例をご紹介します。

・自社に眠る暗黙知がシステム化する(ブラックボックス化しない)
・ベテランのノウハウが受け継がれる(企業にナレッジが溜まる)

属人化していたベテランの経験に基づく勘やノウハウをシステム化することで、異動や退職によるノウハウの消滅を防ぎ、ノウハウを伝承することが可能になります。

・誰でも使えるようになる(ベテラン以外の新人も使えるようになる)
システム化することでベテラン、新人関係なく、業務の質が安定します。

・新たな収益源となる
システム化したコア技術を販売(SaaS化)することで、新たな収益源となります。販売しない場合でも、効率化されたことで生まれたリソースで新たな価値を生み出すことが可能になります。

・技術がアップデートされ続ける(レガシー化しない)
SaaSは常に機能をアップデートするのでレガシー化しません。これを可能にしているのは、サブスクリプション型の安定収益や、ユーザーデータが常に集められることで、要望に応じた機能のアップデートが継続的に行えるためです。

・企業価値が上がる(時価総額が上がる)
現在市場で評価される(時価総額が高くつく)企業はデジタル事業を行っている企業です。<参考
戦闘機ミラージュを製造するDASSO社がコア技術をデジタル事業化して子会社を設立した結果、親会社よりも時価総額が高くついているのはわかりやすい事例と言えるでしょう。<参考

コア技術を開発してグローバルSaaS事業に成長した国内DXの事例


日本にも、コア技術を開発して事業部からスピンオフしてグローバルSaaS企業になった事例があります。
詳しく解説しているので、ぜひお読みください。

■バリューアップDXを実現したPlantStreamの事例
https://note.com/arent3d/n/naf926d21937e


バリューアップDXこそが真のDX

経済産業省ではDXを成功させるための方向性として、以下を定義しています。

既存ビジネスであっても、新規デジタルビジネス創出のどちらであっても、デジタル技術を使って全社的な収益向上を達成することが真のDXです。

PlantStreamの事例は、コア技術を新規デジタルビジネスにした、バリューアップDXのお手本と言える事例でしょう。

コア技術を業界共通のプラットフォームへ
そしてそのコアとなる部分は、業界内の他社にとってのコアでもあります。

SaaSとして販売して、同業他社にも使ってもらうことによって、業界共通のプラットフォームとしてレガシー化せずに日々アップデートされていきます。この業界ごとの協調領域を担う共通プラットフォームのサービス化は、DXレポート2.1で示されているデジタル変革後の産業のあるべき姿です。

次の記事では、DXの第3ステップ、業界共通のプラットフォームについて解説していきます。

<次の記事>
■DX時代は業界内で手を取り合い、お互いの強みに相乗りすべし。競合ツールの活用でリソースの選択と集中を
https://note.com/arent3d/n/n6cc7cd2d98f4

<関連記事>
■バリューアップDXを実現したPlantStreamの事例https://note.com/arent3d/n/naf926d21937e

■時価総額を意識した経営を。DXの本質は企業価値を上げること。https://note.com/arent3d/n/n116a10cd889c

■親会社の時価総額を超えたバリューアップDXの成功例https://note.com/arent3d/n/nb7e1328097e7


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