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レガシーシステムから脱却し、経営を変革せよ
前回の記事では2018年に発表された初版のDXレポートで経産省が警鐘を鳴らした「2025年の崖」について解説しました。
DXの足かせになっているのは、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムにあるとされ、2025年の完了を目指して計画的にDXを進めるよう促しています。
この記事では、レガシーシステムの課題点と背景、解決策について解説していきます。
<前回の記事>
■DXレポートから紐解く日本のDXの課題とは
https://note.com/arent3d/n/nca0e0bcef575
レガシーシステムとは何か?何が問題なのか?
レガシーシステムとは古い技術で構築されたシステムのことで、主に1980年代に多くの企業で導入されたメインフレーム(汎用機)やオフィスコンピューターを使ったシステムを指しています。
DXレポートで指摘しているレガシーシステムの問題点は大きく以下です。
【問題点】
・老朽化
何十年も前に導入してシステム自体が古くなっている
・複雑化
法改正や業務に合わせて都度カスタムして複雑化している
・ブラックボックス化
属人的なカスタマイズを行ってしまうために、システム全体を継続的にマネージしている人がおらずブラックボックスに。
・新規IT投資が出来ない
レガシーシステムのメンテナンス費用が膨大であるため、新規IT投資が行えず、使用を続けることでメンテナンス費用がさらに増加するという悪循環に陥っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1695983853812-zpKeeXHzBa.jpg?width=1200)
日本は保守運用にリソースがとられ、新規のIT投資が横ばい
上記の問題がどこで起こっているかというと、ERPシステムを基本としていることで起こっています。
レガシーシステムから脱却するには
Arentで提案しているのは、統合型ERPパッケージ(統合基幹業務システム)をやめて、アプリ(それぞれの業務に特化したツール)を導入し、APIで連携するというものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695983920073-CmEQ3IvF99.jpg?width=1200)
今問題になっているレガシーシステムは統合型ERPパッケージで起こっているため、まずはここから脱却することがファーストステップです。
IT先進国である米国ですでに実施されている概念で、アメリカでは6割弱で活用されているのに対して、日本での導入は2割に留まるのが現状です。
![](https://assets.st-note.com/img/1695101746315-Q2Q2Pt0sdj.png?width=1200)
別々のアプリにしてAPI連携すると何が良いのか
ERPパッケージの課題点を理解したうえで、アプリ連携のメリットをご説明します。
・それぞれが業務に特化したシステムなので、何より使いやすい
・初期費用が安く、必要なアプリを必要な時に必要なだけ契約・解約できる
・レガシー化しない
・ブラックボックス化しない
・保守運用費がかからない
業務に特化しているので使いやすい
統合型ERPパッケージは各々の業務システムが専用システムではなく、各企業・各事業部でカスタマイズされ、独自運用ルールが設定され、新しくジョインするメンバーは独自ルールを覚えないと使えないケースがあります。
専用ツールの場合、直感的で使いやすいことが前提です。また、カスタマーサービスが充実していて、ユーザーサポートが手厚いのもアプリの良いところです。
初期費用が安く、必要なアプリを必要な時に必要なだけ契約・解約できる
事業方針や、従業員の人数等に合わせて、必要なツールを必要な数だけ契約することが可能で、新しいシステムを導入しやすく、初期費用も抑えられます。必要なツールだけを契約できるので、不要なツールが社内システムとして存続し続けブラックボックス化することもなく、システムもコストも最適化されます。
パッケージ型と違って、導入後に不要となった場合のコストのリスクがないので、新しいIT投資も気軽に始められます。
レガシー化しない
SaaSはパッケージ製品と違い、システム提供側が常に機能をアップデートしているのでレガシー化しません。これを可能にしているのは、サブスクリプション型の安定収益や、ユーザーデータが常に集められることで、要望に応じた機能のアップデートが継続的に行えるためです。
ブラックボックス化しない
ERPパッケージでブラックボックス化してしまうのは、国内企業の多くで、スクラッチ開発を好むユーザー企業が多く、自社の業務に合わせてカスタマイズした結果、個々のシステムにノウハウが存在するようになり、ノウハウを持った人材の退職等により、人材に属していたノウハウが失われてしまうことが理由のひとつです。
SaaSは業務に特化し、誰でも感覚的に使えるものが多く、大きくカスタマイズすることはないのでこの問題は起こりません。
また、不要になって解約してもコストのリスクがないため、不要なツールが社内システムとして存続し続けることが無くなります。
保守・運用費用が掛からない
レガシー化しないことに通じますが、サブスクで費用を支払い、機能が常にアップデートされているので、保守運用に関して、金銭的にも人材的にもリソースがかかりません。
サブスク型のため、コストの計画が立てやすいのもメリットです。
Arentからの提案
統合型ERPパッケージから脱却したら自社のコア技術の開発を!
ERPが必要ない理由がわかりましたね。ではすぐにアプリの連携をはじめましょう。
ただ、これを実際に自社内で展開していくと、どうしても既存のSaaSシステムで置き換えられないものが出てきます。
それは、自社の「コア技術」です。
伝家の宝刀と言える自社のノウハウは、既存のSaaSに置き換えることは出来ません。その何にも替えられない自社のコアがわかったら、その部分だけ開発すればよいのです。
そしてそのコアとなる部分は、同業他社にとってのコアでもあります。
SaaSとして販売して、同業他社にも使ってもらうことによって、共通のプラットフォームとして日々アップデートされていきます。(レガシー化しない)
これは、DXレポート最新版やDX白書2023で提唱されている、最新のDXのあるべき姿です。
次はこの「コア技術の開発」について解説していきます。
<次の記事>
■バリューアップDXこそが真のDX。自社のコア技術はSaaS化しよう。https://note.com/arent3d/n/na2a71eea3d97
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