IFCとBIMソフトウェア -ビューア編-
今回はIFCのソフトウェアで、無料のビューアソフトをご紹介します。
各プロダクトにはそれぞれ特長がありますが、モデル形状と属性情報を表示できるものがほとんどです。また、操作がスムーズで扱いやすいのも特筆すべき点です。
コンピュータにインストールが必要なアプリケーションソフトウェアと、ブラウザで利用できるウェブサービスに分けてご紹介します。
アプリケーションソフトウェア
⒈Open IFC Viewer
開発元:Open Design Alliance
対応スキーマバージョン:IFC 2x3 から IFC 4.2 および IFC 4x3
Open IFC Viewerは、プロフェッショナルグレードのIFCビューアであり、3Dナビゲーションコントロール、レンダーモード、事前定義ビュー、IFCプロパティ検査、シーンマークアップ、カッティングプレーン、クラッシュ検出などの高度な機能を備えています。
最新のIFCバージョンをサポートしており、建設および設計業務における効率的なデータの視覚化と検証が可能です。
3つのアプリケーションソフトウェアの中で最も動作が軽く、扱いやすいですが、言語設定が英語のみなので注意が必要です。
⒉BIMvision
開発元:Datacomp IT Sp. z o.o.
対応スキーマバージョン:IFC 2x3 および IFC 4.0
BIMvisionは、複数のIFCファイルを統合して表示する機能、モデルの寸法測定、衝突検出、アノテーション機能など、多くの機能を持ちます。また、プラグインを追加して機能拡張が可能な点も特徴的で、日本語にも対応しています。
⒊BIM Collab Zoom
開発元:KUBUS
対応スキーマバージョン:IFC 2x3 および IFC 4.0
BIM Collab ZoomはシンプルなUIのIFCビューワです。クラッシュチェックができるほか、課題管理機能やスマートプロパティ機能、スマートビュー機能など、便利な機能を直観的にわかりやすいUIで使用できます。こちらも日本語に対応しているソフトです。
有料ソフトウェアのBIMcollab Nexusと連携して、BIMマネジメントも可能です。
ウェブサービス
⒈Autodesk Viewer
開発元:Autodesk
対応IFCスキーマバージョン:IFC 2x3およびIFC 4
AutoCAD、RevitでおなじみのAutodesk社の無料ビューアサービスです。無料で使用できる上に動作も軽く、共有やコメントの機能などもあり、扱いやすいのが特長です。Autodesk Construction Cloudに近いUIなため、シンプルな機能群は直観的な操作も容易に行えます。
IFC以外にも50を超えるファイル形式に対応しており、さまざまなデータの閲覧が可能です。
⒉DiStellar
開発会社:DiRoots
対応IFCスキーマバージョン:IFC 2x3およびIFC 4
DiStellarは、IFCモデルの表示および修正を行うためのツールです。高度な検索、フィルタリング、データ管理機能を備えており、ウェブアプリケーションならではのUI/UXを提供しています。一部のプロパティを編集し、保存することも可能です。
⒊Sortdesk Free Online IFC Viewer
開発元:Sortdesk
対応IFCスキーマバージョン:不明
Sortdesk Free Online IFC Viewerは、シンプルながらも最低限の機能を備えたIFCビューアサービスです。多機能すぎて使い方がわからない、ということがないため、単純にモデル形状と属性情報の確認をするには最適だと言えます。ダブルクリックの操作が多く、BIMオペレーターの方は最初は慣れないかもしれません。
各プロダクトの比較
上記の6つのプロダクトの特長を以下の表にまとめています。
まとめ
今回はIFCビューワをピックアップしました。ビューアは基本的に「見る」ためのものなので、オブジェクトの位置や形状を変えることはできませんが、属性情報については一部サービスで編集が可能です。情報の可視化に特化しており操作がスムーズかつ無料なため初心者でも敷居が低く、馴染みやすいかもしれません。ぜひ色々と試してみて、日々の業務効率向上にお役立てください。
また、IFCの概要やデータ連携に関しては以下の記事にて解説しています。
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