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「BIM×自動化」を始めるために準備すべきこと

これまではBIMと自動化をかけ合わせることの意義や具体的な事例について、紹介しました。
今回は「BIM×自動化」に着手する際に準備すべきことに焦点を当てて深掘りしていきます。


■技術力の活かし方

以前の記事では、自動化を生み出す3つの要素の1つとして「技術力」を挙げました。これはBIMユーザーが抱えている課題を解決するソリューションをカタチにするための必須事項です。
しかし、「技術力」だけではBIMの自動化は困難です。
自動化したい業務を構成する個々の要素やそれらの関係性などを洗い出した上で、自動化を実現するための条件を整理する必要があります。
このように、BIM×自動化を実現する要素の強みを最大限発揮させるためには、様々な準備が必要です。

▼自動化技術を実現する3つの要素についてはこちら

■自動化を実現するための条件を整理する

□暗黙知のシステム化

例えば配筋モデリングを自動化する場合、設計から施工までの幅広い知識をシステムに落とし込む必要があります。標準仕様書などの一定のルールはあるものの、熟練の設計者が長年の経験を経て蓄積した知識(暗黙知)も考慮すべきです。設計だけでなく施工現場においても同様です。暗黙知とは各人が持っている勘や、経験により習得した独自の知識です。それらをシステム化することで、精度はより一層高くなります。

配筋モデリングの自動化についての記事はこちらからお読みいただけます。

□データ(情報)

BIMはデータベースであるため、蓄積される情報が不足しているとその効果を十分に発揮することができません。さらに、前述の暗黙知にも当てはまりますが、取り扱うデータとそのフォーマットが整理されていないと自動化の効果は半減してしまうでしょう。
とはいえ、建設業においては関連する組織の数が多く、例えば見積りを例にすると、PDFで管理している会社もあればスプレッドシートであったり手書きであったりと、整理の段階ですでに苦労は絶えません。
データの整理については、この時点から自動化してしまうのも一つの手です。

□組織内ルール

BIMを扱うに当たっては、国内ルールと呼べるほどのものはなく、標準化はまだまだ進んでいないのが現状です。それゆえ、組織内でのルールをある程度整備しておく必要があります。ここがブレていると自動化する際に期待する結果を得られません。自動化はルールが明確であるほど短時間で大きな結果を得やすい特徴があるので、この組織内ルールという項目も外すことはできないでしょう。

□生成AI活用を見据えたデータベースの整備

「DX」や「自動化」の実現には「生成AI」の存在も看過できません。
生成AIの強みを最大限活かすためには学習のためにデータベースを充実させ、ある程度の学習期間が必要です。例えば、設計自体を自動化させる場合、建築基準法をはじめその他関連法規に照らし合わせた最適な建築プランを生成するための学習が必須となるでしょう。

このように、「BIMを自動化したい」と思い、「そのための技術力はある」としても、ソリューションを生み出すための準備についても同時に考えなければいけません。

■ArentのBIM×自動化実現に対する考え方

Arentでは「BIM×自動化」を実現するためには、まず業務改善から取り組むことを提案しています。
さらに課題を解決するシステムを開発して終わらず、業界全体の課題解決に貢献するために、プロダクトをSaaSとして販売することまで見据えています。新規事業の立ち上げは業界全体の課題解決に貢献するだけでなく、新たな収益も生み出すのです。

このように、Arentは業務改善から新規事業の立ち上げまでを見据えているため、ゴールを達成するための準備を徹底しています。業界知識が豊富なメンバーが業務の内容や職人の暗黙知、現場の考え方を事細かに調査・ヒアリングし、必要な要素や、考慮すべき条件を整理します。課題を解決するための情報の整理からプロダクト開発、新規ビジネスの立ち上げまでを初期の段階から視野に入れているため、最適解を生み出すための準備を欠かしません。

■Arentについて

Arentは強みの技術力や建設業界のドメイン知識を活かし、「BIM×自動化」に注力した建設DXを行っています。
BIMソフトウェアを活用した作業の自動化において、戦略立案から開発、事業立ち上げまで一気通貫で行えます。
DXの推進にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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