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土の上にも3年

拡張した新しい畑は、
野生化したサトウキビとカヤが茂る場所。
そこをショベルカーで天地返しをしました。
天地返しとは、
掘った土の上の部分と下の部分の二つに分けて、上下を入れ替えるというもの。
その際に刈り草なども一緒に埋めてしまった。

長い時間をかけて積もった養分を土の中に埋めたという事だから、
本当にもったいないことをしたと、今となっては大きな心残りに。

とはいえ、
大きな雑草はこれで取り除く事が出来たので、
あとはゆっくりと実験しようと決意したのが一年前。

実験というのは、
草が伸びたら刈り取るを繰り返すだけ。
草は地面すれすれで刈り取るとそのまま枯れる。
枯れたら根っこは地中で分解されて、
土になりそこに隙間が出来る。
これが無数にあったとしたら…

穴だらけになるので耕さなくても作物が成長するんじゃないか。
草はそのまま枯れていき養分になる。
そんなところだ。


1年間は、
草が生えては刈る。
生えては刈るを繰り返した。

目に見えて変わったのは土質。
強い粘土質のこの場所は通気性が悪く重い。
水が抜けないのですぐぐちゃぐちゃになっていたここの土。

今は大雨の翌日でも水たまりはない。
少し軽くなったように思います。


それから草を避けて整地をした。


2年目は野菜も育てる
と、
来年の養分を蓄えるを同時に出来るようにする。

土の上を草で多い、
更にコンポストと日陰で作る腐葉土をしっかりと準備しておく。

この循環が出来れば、
少しずつ畑の力を伸ばしていく事が出来るんじゃないか。

積み上げていくだけで畑は作れるのか。 

3年後にはきっと出来ているはず。
実験はまだまだこれから。



有機物というのは炭素がくっついて出来たもの。
炭素循環にならい、
二酸化炭素が植物に吸収されるて有機物になる。
落ち葉、枯れた植物が微生物に細かくされていく。
二酸化炭素として空気に戻るか土の中に入るか、炭素の塊のようなものになる。 
その土の周りにある有機物を植物が必要な分だ自ら成長に使い、もちろん空気中からも二酸化炭素を減らしていく。


これが自然の流れ。
植物を積み重ねていくと、
二酸化炭素は空気にではなく土の周りに集まる事になる。



この循環の中に畑を組み込んで、
畑から野菜を持ち出す代わりに、刈った草やつくった腐葉土などでエネルギーを補給しようと考えた。


上手くいけばおもしろい。
何より最高のテロワールが出来る。
畑の中で循環しているから。

そんな野菜を食べてみたい。


最近わかった事。
時間をかけて作るモノが好き。

お店のキッチンの一部につけてくれたタイル。
自然にある風合いが良き。

無駄にしない思いが詰まった棟梁の人柄がにじみ出ている気がします。