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タイサル!第7話「調査生活のオトモ!タイの犬たち」

みなさんこんにちは、写真家になったつもりでサルの写真を撮っているしがない研究員の豊田です。

今日は、私の大親友、調査地の犬たちを紹介したいと思います。


調査地の犬事情

タイにはあちこちに野犬がたくさんいます。野犬なのか、飼い主がいるけど放し飼いなのか、よくわからない子もたくさんいます。

調査地も例外ではなく、犬たちがたくさんいます。

2015年の調査開始当初、基地には犬が6頭いました。オスが2頭、クロと茶助。メスが4頭、シロ、シロスケ、キレー、ヴェンヴァーです。あと、近くのお寺にも1頭のオスがいました。テライヌと名付けていました。

このうち、クロ、茶助、ヴェンヴァーは色々あって今は天国にいます。

ところが、キレーが一度子どもを産み、再び妊娠して今度はお寺に移住し、そこで産まれた子どももさらにお寺で子どもを産んで...今では、調査地に4頭、お寺に10頭以上という、犬だらけの状態になっています。

基地で最初にキレーが子どもを生んだ時は、私が子犬の世話をしていました。この話は、また別の機会にしたいと思います。


調査地の犬たちの紹介

ひとまず、犬たちのご紹介です。

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シロスケ。人懐っこいおばあちゃん犬。いつもそばにいる。

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シロ。シロスケと姉妹。ヤキモチやき。いつも僕の隣の位置を巡ってシロスケとケンカする。

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調査基地を仕切るオス犬、ヒロ坊。キレーの息子。他の子達よりも頭が一回りでかい。

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チビ助。キレーの娘。体が小柄でケンカも弱いけど、お行儀よくて賢い子。

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キレー。人懐っこいけど犬同士のケンカは強い肝っ玉母さん。息子のヒロ坊とケンカするようになり、旦那のテライヌのところへ移住。

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ケナガ(左)とユーイー(右)。お寺に住むキレーの子どもたち。ユーイーは今は天国にいます。

他にも今は亡き子を含め、たくさんの犬達がこの調査地で暮らしています。


犬たちと過ごす調査地生活

最初に犬たちに適当な名前をつけたのは、あまり情をかけたくないという思いからでした。私の調査地生活は期限付きでずっと彼らと過ごせるわけではないし、日本に連れて帰るわけにもいかないので、できるだけ距離をとっていたかったのです。

しかしそんなことは不可能で、いつの間にか、私の大事な友だちになっていました。

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調査から帰ってくると、この笑顔でお出迎え。かわいい...!


私は調査地でひとりぽつんと暮らしていました。隣の建物には住み込みの職員さんがいましたが、言葉が通じるわけでもないし、彼らもそれなりに忙しいので、私は話し相手がいませんでした。

調査から帰ってきて、部屋でデータ入力などをしていると、犬たちはいつも私の部屋の前に来て昼寝をしていました。仕事に疲れてふと外を見ると、犬たちがのんびりしている様子が見えて、本当に癒やされました。

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夕方、私の部屋の前に集まってくる犬たち。たまに私も床に座り、犬たちに囲まれながら、ぼーっと夕日が沈んでいくのを眺めたりしていました。

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顔をふにふにされるのが好きなシロスケ。僕が近寄ると毎回ひっくり返ってヘソ天になり、ほっぺを引っ張ってもらうのを待つようになりました。

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泥だらけで帰って来たシロ。なんとなく申し訳無さそうな顔をして写真に写っています。

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「あのー、お夜食もらえますか?」という感じで催促に来る様子。真夜中まで仕事をしていると、お夜食をねだられます。


彼らがいなければ、きっと私はあまりの孤独でおかしくなってしまっていたかもしれません。すっかり私の家族同然の存在になっていました。


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ご飯の準備。調査から帰ってきたらご飯を炊き、ドライフードや缶詰と混ぜてあげます。

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お寺の犬たちにもドライフードをもっていきます。


ドライフードは10Kgで300バーツ(1000円ほど)です。10Kgでだいたい1週間から10日ほどもちます。調査地に入る時にいつも大量に購入します。もちろん調査とは関係ないので私費負担なのですが、自分の食費を削ってでもまず犬たちのごはんを購入します。

普段は残飯ばかり食べている犬たちなので、せめて、私が調査地にいる間くらいは、ちゃんとしたごはんを毎日お腹いっぱい食べさせていあげたいと思っています。いつ、お別れの時が来るかもわからないので、せめて、「お腹すいたなぁ」という気持ちからは開放させてあげたいと、勝手に願って、ごはんをあげています。

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夜の基地の玄関前警備もバッチリです。たまに夜中にお寺の犬たちと遠吠えでやり取りするので、その声で目が覚めることもありますが、まぁそれくらいなんてことないです。


コロナ以後、全く会えなくなってから1年以上が経ってしまいました。毎回調査地を離れる時には、「これが最後かもしれない」と覚悟を持ってお別れをしてくるのですが、今回ばかりは、何頭かとは本当にお別れになってしまっているかもしれません。

職員さんによると、私がいなくなったあとも、ずっと私の部屋の前に集まって、帰ってくるのを待ってくれているそうです。

みんな、元気にしているだろうか...たまに思い出しては、心配しています。


犬たちのお話は、まだまだたくさんあるので、折を見てまとめていきたいと思います。


タイサル!次回はいよいよ研究っぽいお話です。調査生活の1日の流れをご紹介します。

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