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#001-05バンをキャンピングカーにしようと思った理由 その5

肉体改造を終えたダコタ君。ついにキャンピングカーとして生まれ変わり、初のロードトリップに出かける!

サスペンションペルパーを入れてから、キャンパーを積んだままでも沈み具合を抑えることだできた。でも、まだ沈んでる。いずれ追加でにサスペンション追加しないとなぁ。
キャンパーも空荷だといいんだけど、長期で出かけると荷物も増えるから、やっぱり沈んでしまう。
でも今回は仕方がないので、このまま安全運転で出かけることに。

サファリ君時代にも度々通った北極圏へと、デンプスターハイウェイを北上する。
ダコタ君に変わっても、基本的なキャンプの方法は変わらない。強いていえば、腰を伸ばして立てるようになった、天井に換気口があるから湿気もこもりにくい、室内に移動する時は一度車外に出る必要がある、というのが大きく変わった点。
快適!快適!

今まで通り交通量の少ない道だから、眺めのいい場所を見つけて、今日のキャンプ地とする。
北極圏へと続く道、デンプスターハイウェイは名前こそハイウェイだけど、未舗装路。あっという間に車がホコリで汚れて、車のもともとの色がわからなくなる。
それでもキャンパーの窓の位置は高いから、ホコリで汚れることなく景色を楽しみつつ、ビールを開けて、数口飲んだ。
一日中運転したこともあって、アルコールがあまり強くない僕は、すぐに良い気分になってきた。

その時…、バン!と大きな音で、キャンパー後部の出入口が叩かれたような音がした。慌てて音の方を見ると、自分の顔よりも大きな動物らしき足の影が、ホコリではっきりと外が見えなくなった足元の窓越しに、一瞬見えた。

ヤバイ、クマだ…。直感でそう思った。

あっという間に酔いが引いていくのが分かった。慌てて流していた音楽を止めて、静かにそーっとキッチン側の窓から外を覗くと、デカイ毛むくじゃらの茶色い背中が、ゆっくりと運転席の方へと向かっていくのが見えた。

やっぱりクマかぁ…。グリズリーだぁ…。
このまま遠くへ去るのを待つか?隙を見て運転席に移動して、さっさとこの場を去るか?
背中しか見えなかったけど、結構デカそうだ。他の窓からもそーっと外を見るも、そのクマがどこにいるか見えない。今どこにいるんだろう?
相手の居場所がわからないんじゃ、運転席に行くこともできない。

いつまでこの状態が続くのだろう?
と判断に困っていたその時、一台のピックアップトラックが、キャンパーの横に停った。
とりあえず助かった!

窓越しに話す。
その人は、ここから約1時間半くらい離れた村に住む人で、「クマはまだそこにいるけど、俺がここにいてやるから大丈夫。キャンパーから出て来て、逃げなさい」と親切に言ってくれた。

もうすでにTシャツと短パンと、楽な格好になっていたから、急いで着替えてキャンパーを出た。
クマを刺激しないように、キャンパーのドアを閉めよう。クマの方を見ると、2匹だ!1匹じゃない!

母親から親離れしたばかりの、若い兄弟グマだろうか?だとしたら好奇心も旺盛だろう。きっと好奇心でキャンパーのドアを触ったに違いない。
クマの力なら、壊そうと思えば、簡単にキャンパーのドアを破れたはずだ。それにしても、スゲー音したなぁ。

と、ドアを閉めた瞬間、鍵を中に忘れたことに気付いた! そう、癖でドアノブのつまみを回してから、ドアを閉めたいたのだ…。が、もう遅い。

ドアはロックしてどうやっても開かない!
クマは真後ろに2匹!


次回へ続く


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