費用から考える、中古マンションはリノベーション前を買うべき!?

私自身が建築設計を生業にしていて、マンションを購入したり、マンションのリノベーションに関わるうちにやっぱり中古マンション買うならリノベーションしていないのが良いなと色々な面で思うのでその理由を紹介していきます。

自邸の記録はここで読めますが、長いです。3690万のマンションを購入してリノベした詳細が書かれています。

1.消費税がかからない

これは僕も自分で買うまで意識してなかったのですが、個人間売買の場合は消費税がかかりません。ただ、売買を仲介する人が必要なので、仲介手数料がかかります。これは上限が決められていて、詳細は省きますが建物とかなら
「3%+6万円」です。
4000万のマンションを購入すると仮定すると、仲介手数料は126万+消費税で約140万で消費税は400万。この段階で260万違います。

2.販売業者の利益

ここでは販売業者が自分で購入する場合で考えます。
購入するということは持ち主が一旦変わるので、所有権移転登記が必要で詳細は長くなるので省きますが、それに100万くらいかかります。ほぼ税金です。
さらに、そこにも仲介業者が入るともう100万くらい。
これは利益ではないので、そこに利益を仮に300万とします。
そうすると、販売業者を通すだけで500万販売価格が増えます。

3.新耐震を選ぶべきか

ここでは費用についてのみ考えるので、地震に対するリスクではなく、住宅ローン控除について考えます。
ローン残高の1%または20万の小さい方が10年(住民税から)控除されます。うまくいけば合計200万お得です。さらに、金利との関係で”逆鞘”(払う金利よりも返ってくる控除の方が大きい)になる可能性もあります。
例えば、4000万借りて金利が0.5%なら年20万弱、となり逆鞘になります。

ここで、住宅ローン控除の条件として新耐震かどうか(1981年6月以降に完成)があるため、(他にも条件はありますが省きます)新耐震を選んだ方がいいということになります。
ただ、旧耐震であっても現在の耐震基準に適合している証明があれば大丈夫です。
さらに、登記に関わる税金の減免にもなるのでさらに50万くらいお得です。

つまり、新耐震(もしくは適合証明あり)だと250万お得の可能性あり、ということです。

4.まとめ。現状渡しの物件を建築家と一緒に探してリノベーションしよう

1)法人からの購入は、消費税がかかり、所有権が移ることによる税金、利益がのっています。買う価格帯にもよりますが、それだけでざっくり500万くらいは違いそうです。

2)住宅ローン控除を使える物件を選ぶと250万くらいお得の可能性があります。

要するに物件を探す前提の段階で500万安く買える方針が立てられ、250万くらい控除を期待できる状況を意識できるということです。

500万あれば、建築家に設計を依頼して(100-200万くらい)好きな家具家電を買えるくらいの余裕があります。お金のことだけを考えても、販売業者からマンションを買うのではなく、現状渡しのマンションを建築家と一緒に探す選択肢を最初に作ってもよいのではないかと思います。

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