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自宅リノベ全記録〜建築家サイド〜(6)意匠の決定と実施設計図書

表題の記事の6回目になります。1〜5回は以下のマガジンにまとめてあります。

今回は、設計前のコンセプトからどのような意匠を決定したかというところを書いていきたいと思います。大枠としては、基本設計と変わらないのですが、詳細や設備(電気ガス水道など)を検討していく中で各部分のあり方を整理し、寸法などの調整を行いました。合わせて、本見積のための実施設計図書も公開しています。

ただ、この記事を書いてる時点で解体がほぼ終わり、工事が始まっているのですが、解体してみると給排水ガスの位置や梁の寸法などが想定と違う部分があり、現状では変更がなされています。変更部分に関してはまた、まとめていきたいと思いますが、一旦実施設計図書提出時の考えをまとめていきます。

意匠の考え方

まず基本設計までの考えとして、DIYを促すような、作って終わりでなく住みながら作り足していけるようなデザインとするために、全体の構成として、
①水周りを含むコア部分の構成→下地表現の意匠
②外周部の設え→長押巾木
③キッチンエリアの家具の考え方→家具に寄せた見え方

という大枠の意匠の考え方までを決めました。
この時には、コンセント関係はハブのコンセントを作り、そこから自分で延長コードで引っ張ってくるという想定でしたが、スタディをしていくとあまり良い感じにならなかったため変更することにしました。

実施設計での意匠的な判断としては
①下地的な表現の強化
②躯体、下地、仕上げ、家具のあり方と設備部分との交点を整理する。

を行いました。具体的には、

①下地的な表現の強化

基本設計では、□60×30の角材を下地と考えていましたが、□90×30の下地とすることで「ただ仕上げが張られていない」という見え方から、下地が特徴として際立つように調整をしました。また、下地を設備部分との交点とするために90mmほどの大きさも必要なために変更しました。

レファレンスイメージとしては以下のようなものです。
大きめの下地が特徴的な意匠となっています。また、天井の作り方が表に出てきて意匠的な特徴になっていて良いなと思います。

スクリーンショット 2020-05-28 15.32.12

②躯体、下地、仕上げ、家具のあり方と設備部分との交点を整理する。
①でも書きましたが、下地の特徴を強化するとともに設備と絡む部分を可能な限り下地と長押、巾木に集約することを考えました。具体的にはコンセント、スイッチ、引っ掛けシーリング、洗濯機用水栓などです。
サンプルは以下のイメージです。

写真 2020-03-31 10 18 25

写真 2020-03-31 10 23 09

建物の構成要素を3階層に分けて考えます。

1階層→躯体、床

スクリーンショット 2020-05-28 14.48.11


2階層→下地、長押巾木

スクリーンショット 2020-05-28 14.49.12


3階層→仕上げ、(家具)

スクリーンショット 2020-05-28 14.49.53

という3階層に分けます。階層分けすることで外注部分とDIY部分の切り分けが容易になります。そして2階層に設備関係を絡ませていくことで、
・下地にすでに加工がされて、ものが取り付けられているので次の手が出しやすくなる
・3階層の取り外しが電気、水道工事が絡まない。(一般的には間仕切り壁にスイッチコンセントが付いてることが多い)
という意匠的な面と機能的な面で良いと思い決めました。
また、個人的な好みですが、綺麗に仕上げられた壁などにコンセントが付いてることに違和感がずっとあったのと工事の工程的にも有利なのではないかと思いました。(ただ、工程的には有利なのですが、基本的に露出配線なのできれいにするのに手間がかかります。)

以上のように、基本設計から踏み込んで考え、よりコンセプトに近い意匠になり、建築としても特徴が出てきたと思います。模型だと以下のような感じです。

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素材感は以下のイメージです。

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実施設計図書

以下が実施設計図書になります。解体後にはちょこちょこ変更になっていますが、見積はこれで出てくるのであげておきます。

次回は、本見積で工事金額を決めて、解体に入っていきます。





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