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自宅リノベ全記録〜建築家サイド〜(5)概算見積分析

表題の5回目になります。前回までの記録(1〜4回)は以下になります。


今回は概算見積もりの結果から、減額を検討するのですが、せっかくなので自分の勉強のためにコスト分析も合わせてしていこうと思います。

減額方針

200406_概算見積増減表

大きくは①引き渡し前のクリーニング、解体をDIY②床工事の内容検討③塗装全てDIY④給排水、電気設備の器具を見直し です。

もともと、工事500万、家具100万、DIY100万の計700万を想定していたのですが、500万まで下げるのが難しそうなので、工事600万、家具+DIY100万とすることにしました。なんとか、目的の工事はできそうな見積でした。TANKさんは結構高めの工務店だと思いますが、設計者の意図を最大限尊重してもらえ、今回のように施主施工がからむことに対しても理解があるので、予算内に納まるならお願いしたかったので安心しました。

ここからは各工事の見積ごとに分析と、どう減額していくか書いていきたいと思いますが、そもそもこの工事の項目も工務店によって違う場合があります。なので、相見積を取るときは、各工事の項目が同じになるように見積を依頼するときに見積の指示書的なものが必要になります。今回は1社指定なので作成していません。

(1)仮設工事  ¥615,000

今回は、RCの内装解体を一からやったことがないのと、(木造を少しなら経験あり)設備がらみは不安なので、クリーニングと解体工事のみDIYとしました。あとは、産廃運搬時に運ぶ手伝いとして少し人を入れてもらえるようにして、

①お引き渡しクリーニング 80,000円→0円 (-80,000
②解体工事 200,000円→40,000円  (-160,000
③上記産廃費 120,000円→そのまま(解体材の量、分別によって下がる可能性あり)
④設備撤去費 30,000円→そのまま

となり、-230,000の力技の減額になります。

(2)左官工事  ¥0

今回は最初から左官工事が入らないように設計していたので、無しになっています。(必要であればDIY)
コストを下げる方法として、関わる業種を減らすことが一つあります。現場での管理手間も少なくなりますし、業種によっては少しの作業であっても必要な経費が出てくるので、業種ごとなくすことでコストダウンにつながると考えています。

本当はworkshopをモルタル金鏝仕上げにしたいのですが、時間があればDIYで施工します。

(3)壁工事  ¥412,800

ここの工事に関しては、設計変更なしに減額は難しいのと、実施設計で下地の寸法を大きくしているのでおそらく増額になってしまうのでこのままにしています。

(4)床工事  ¥804,500


よくあるマンションは根太の上に15mmくらいのフローリングですが、今回は下地も12mm×2でその上にフローリングとして下地をしっかりめにしています。そこは守りつつ調整します。床工事は木下地の数量の想定が余裕を見ても大きいので、その調整と、フローリングの品番を入れ忘れていたためスペックが高いもので見積もられていました。その部分を調整して、以下のようになります。

①木下地数量調整 370,500円→305,500円 (-65,000
②フローリング材 286,000円→170,600円  (-115,400

となり、-180,400の減額になります。

(5)造作工事  ¥94,000


ここの工事は長押+巾木を実施で詳細を進めて、寸法が大きくなっているなどで増額の可能性がありそのままにしています。今回の設計において重要なポイントでもあるので減額しろはなさそうです。

(6)塗装工事  ¥194,000

塗装工事はクオリティはともかくやってできないことはないのでは思い切って全てDIYとして業種ごとなくすことにしました。トイレの塗装などは工程に絡んでしまうので、合わせて工程表で塗装DIYを入れ込んでもらえるようお願いします。

-194,000の減額になります。

(7)内装仕上工事  ¥65,000

こちらも、部屋の外周部は既存コンクリート現し+中側は下地現しのようなものなので項目としてはほぼないですがカーテンをDIYとして、カーテンレールのみ(パイプの加工)としました。

-40,000の減額になります。

(8)家具(建具)工事  ¥1,140,000

ここでは設計変更なしの減額検討は難しいので項目としては、

①上部吊戸棚DIY 210,000円
②脱衣所引き戸→カーテンに変更 95,000円

となりますが、上部吊戸棚は本見積で調整が難しい場合の調整しろとして残し引き戸のみ減額で-95,000としました。

(9)衛生設備工事  ¥1,754,972

ここでわかりやすく調整できるとすると、水栓などの見直しくらいなので、

①キッチン水栓をイケアに変更 95,225円→14,990円 (-80,235
②洗面室水栓をイケアに変更 22,440→7,990円 (-14,450
③ユニットバス浴室乾燥機中止 540,000円 →460,250円 (-79,750
コロナで入荷がないらしいのでどちらにせよ変更でした。

となり、-174,435の減額になります。ただ、この工事はまだ現場確認もされてなく、元配管がどこにあるかもわからない状態での見積なので多めになっていると思います。現調後の本見積では下がると思いますが、実施設計で給湯器の仕様をあげているので増額項目もあります。
あまり、減額を見込まない方が良いかもしれません。

(10)電気設備工事  ¥753,000

ここもわかりやすく調整できるのが器具の変更くらいなので、

①照明器具施主支給 63,600円 →0円 (-63,600
②配線器具、分電盤など (-40,000)

となり-100,000の減額を想定していますが、こちらも現調がまだなのと、基本設計図書だと意図が伝えきれてなかったと思うので、現調と打ち合わせで下がるとは思います。

(11)現場管理費  ¥610,000

ここは減額の判断は難しいのでそのままとします。塗装工事なしにするなど、業種を減らすなどで交渉は可能かもしれませんが、ただの値引きのお願いは最後の手段としたいところです。

まとめ

これらは概算の結果をもとにしているので、あくまで減額の方針としてみていただければと思いますが、なんとなく納まりそうな感じにはなりました。

やはりフルスケルトンで普通にリノベーションをしようと思うとこの規模で1000万くらいは欲しいなという印象です。

ざっくり内訳は、

仮設      25万
解体      35万
壁       40万
床       60万

造作      10万
塗装      20万
内装仕上げ   5万
家具、建具   40万
電気      65万
換気給排水ガス 160万
キッチン    70万

管理費など   60万
合計      590万

で、これでも天井はトイレしか張ってないので天井はないようなもので、仕上げもほぼないようなものでこの金額です。住むために必要な部分は太字部分でそれで515万となります。
壁も床もなくても良いと415万です。(生活はできるという意味で)
つまり今回の場合だとフルスケルトンにして設備のみ入れるだけで400万くらいかかるということです。もちろん、キッチンを既製品にしたりなど下げられる余地はあります。(今回はローコストですが、キッチンだけはお金をかけると決めていました。)

フルスケルトンにしなければそれぞれどこまで壊し、既存利用するかで、引き算すればなんとなくコストが出てきます。

フルスケルトンだと、風呂のスペックを下げる(今回はユニットバスだけで50万くらいで高くもないですが)、キッチンを既製品、などにすれば500万くらいになりそうです。

そもそもフルスケルトンで諸々削れば500万くらいにはなりそうと想定していたので、だいたい想定通りと言えます。
ただ、今回は、キッチンやその他造作など意匠的なポイントになる部分は残して、解体や塗装などを施主施工とすることで、コストを調整しているということになると思います。

解体、塗装など難しそうですが、やり方さえ理解できればある程度自分でできると思います。

次回は実施設計図書と最終的な意匠がどうなったかを書きたいと思います。


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