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自宅リノベ全記録〜施主サイド〜(7) 本見積、解体、変更点など

表題の7回目になります。前回までのまとめは以下マガジンです。


前回は意匠を決め、実施設計を終わらせて、提出するところまででした。


今回は、本見積の調整と解体、解体することで現況が分かったのでそれによる図面変更までをまとめていきたいと思います。時系列的には、見積中に解体を進めて、解体で分かった現況を本見積に反映してもらった形です。
この辺りからは、彼女との打ち合わせは明確に設けていなく、わかったことがあり次第報告して、どうするか決めていくという形になっています。
変更の反映をすぐにしていかないと、見積が遅れてしまうためこのような形としました。

今回の進め方は、
作図見積、解体変更部分のみ作図見積修正、アップ
となっています。
良い点:二重の家賃の期間を短くできる。
悪い点:先に、現況を推測して設計をするため、変更が大きすぎて想定していたデザインにならない可能性がある。

違う進め方として、一度解体し、その後に作図し、見積を依頼するものがあります。
解体現場確認作図見積見積アップ
この場合だと、作図し施主の承認の時間も必要なため1−2か月は期間が伸びてしまいます。

家賃1−2か月分と、デザインの確度を比較しどちらを選ぶかというところです。

1.本見積

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今回も増減表を作成して、説明します。本見積で税込660万くらいになりました。想定より下がらなかったのは、解体を進める中で、1.PSに配管が集まっていると想定したものが、全てスラブ貫通だったためと、2.長押の詳細が決まり、その加工費が上がったためです。
長押はこの設計の数少ない意匠のポイントなのでなくすことはできず、給排水も削れません。もともと切り詰めていたのでこれ以上下げる部分がなくなってしまったので、この金額で進めたい旨を伝えて進めることにしました。基本設計時に建築600万+家具、DIY100万で700万で想定していましたが、建築660万+家具、DIY40万になってしまいました。家具を買うには予算が足りないので家具代は必要最小限にし(そのうちお金ができたら購入)、なるべく700万+αくらいで抑えるという方針で進めることになりました。

ここで、配管がスラブ貫通だったとはどういうことを説明させてもらうと、(スラブとは床の構造体のことです)配管の仕方には大きく、床スラブ上配管床スラブ貫通配管があります。
・床スラブ上配管(専有部分)は自分の専有部分内の床下を通ってPS(パイプスペース)に行きそこで共有部分の大きな配管に接続するものです。今のマンションでは一般的なものです。配管の移動がしやすく、水周りの位置変更が容易です。
床スラブ貫通配管(専有部分)は床スラブを貫通し、下階の専有部分内である天井裏を通ってPSに行くものです。古い建物だと多い傾向があります。つまり、専有部分であるはずの自分の配管を触ろうと思うと、下階の天井を壊さないといけないということです。
また、上の理由で配管の移動もほぼできません。
配管方法がどっちなのかはマンションを買う際には、可能な限り確認した方が良いです。

2.解体

もちろん普通は業者にお願いするものですが、工事費削減のためDIYで進めていきます。彼女は仕事があり、時期的に人に気軽に手伝ってもらえないため一人で進めていきます。(もっと言えば僕は左手が使えないため右手のみでの作業になります。)丸のことバール、でかめのハンマーを使って壊して、ガラ袋に分別してひたすら詰めるの繰り返しです。
もし自分でレンタカーなどで捨てに行くなら、分別をしっかりやれば安くなるかもしれません。石膏ボードが高いです。今回は廃棄は一人だと体力的にできないと思ったので業者にお願いしました。様子は以下のような感じです。

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上の写真でコンクリートブロックでできていて、穴が空いてる部分がPSです。結局一つもPSに行ってませんでしたが。。この穴は塞ぐ必要はないのですが、彼女の要望で塞ぎました。

あとは、せっかくなので解体によって明らかになった問題を中心に書いていきたいと思います。
①設備配管位置が想定と違っていた
先ほど少しでましたが、配管が全てスラブ貫通でした。
左上:風呂排水、中上:貯湯槽排水、右上:洗面排水
左下:給水元管、中下:洗濯パン排水、右下:キッチン排水

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こんな感じで、コンクリートの床スラブから直接出てきています。今ある部分をつなぎ直して使用するか、塞ぐかを決めていきます。
この貫通部分が動かせないので、設計していた排水口の位置とズレが出てきます。また、排水するためには勾配が必要なので床下にその勾配を持った配管が納まる必要があります。そのため、床の高さを上げる必要があります。(玄関の段差が大きくなる)床を上げすぎると掃き出し窓に当たってしまうのですがギリギリ納まりました。

②雨漏り+雨漏りによって壁面にカビが発生している

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上の写真は壁の石膏ボードを外した時の写真です。ポツポツついているのはGLボンドでこれで石膏ボードを接着していました。(このGLボンドを剥がすのもすごく大変です。。)雨漏りはした形跡があったのでしょうがない事ではあるのですが、さすがにこのままは嫌なのできれいにしていきます。
まずは一般的なカビ取り用洗剤(カビキラー、カビハイターを使用)でやってみると結構きれいになったのでそれで進めました。
カビ取り用洗剤をかけて泡で埋め尽くして、とりにくそうな部分をワイヤーブラシ(ステンレス)でゴシゴシやっていきます。最後に水を吹きかけて拭き取っていきます。それでも残る部分はもう一回やれば結構きれいになりました。

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気にならないレベルできれいになりました。市販の洗剤も結構強力ですね。

雨漏りに関しては共有部分の問題なので管理会社にお願いしてます。

3.変更点

最後に解体で分かったことによって変更になった部分ですが、大きなところでは以下の二つです。
①配管の変更によって床が上がり、玄関(土間)とフローリングの高さが50mmから210mmに変更になった。
②床が上がり、梁の大きさが想定より大きかったため、間仕切り壁の高さが低くなり、キッチン上部棚の大きさが小さくなった。

変更点は多かったですが、大きな設計変更は必要なかったため、見積のスケジュールとしても大丈夫そうでした。次回は工事から完成までと設計者として工事にどう関わっていくかというところ書いていきたいと思います。




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