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今週、社内で話題になった事例。 0001

みなさん、こんにちは。
株式会社アーキロイドの津久井です。

note1本目です。

 株式会社アーキロイドは、archiroid.comという未建築住宅の設計、検索プラットフォームを開発、運営しています。noteを活用しているベンチャーの先達に習い、今後はnoteを使って様々な発信をしていこうと計画中です。
 まずは始めることが大事、ということで、タイトルに有る通り「今週、社内で話題になった事例。」をまとめてみました。0001としたのですが、週1投稿で、1000本に到達するには、19.2年かかるそうです。張り切っていきましょう。

事例1:You+Pea

【概要】
 Sandra YoukhanaとLuke Caspar Pearsonによる建築設計事務所。ゲームの技術を建築デザインに統合したり、ゲームを介して人々を都市デザインに巻き込むプロジェクトを展開しています。また、ロンドン大学バートレット建築学校で、Videogame Urbanism studioという修士プログラムを設立しています。建築情報学会チャンネルの第30回のゲストとして登場したことで話題になりました。

【アーキロイドポイント】
 ゲームは、インタラクティブで、参加しやすく、多量で複雑な情報を取得できる、非常に優れたメディアです。当社の運営するarchiroid.comでは、住宅設計のWEBアプリケーションで、ゲームのように意識せずに学びと実践を提供しようと考えています。

事例2:10+1 エンジニアド・デザイン ── 一点突破から考える工学的プローチ

【概要】
 建築情報学会の準備会議連載全6回の5回目。エンジニアド・デザインはプレゼンター新井氏の造語。工学の分野では適切な「目的関数(評価関数)のデザイン」と「解を導き出すためのエンジニアリング」が重要。この2つが融合したデザイン・アプローチのことを、エンジニアド・デザインと呼ぶ。
 設計を、計画、構造、環境に分けて考えると、構造と環境は目的関数の設定が容易で、それ故に数理的研究が発展している。対して計画分野では「動線のスムースさ」、「フレキシビリティ」、「美しさ」など、考えなければならない機能がたくさんあって、目的関数にしてもお互い相反するような機能をどうやって重みづけて合算すべきか難しい。そもそも数値化困難、定義困難な機能も多い。日常的な設計においては、これらを包括的に捉えて、直感的に設計している。各々の腕に差はあるけれど、人間はそういったことが得意である。未来では、まず数値化しやすくて、みんなが同意していくれる機能にフォーカスする。それに基づいて「一点突破型で数理的に設計する」、科学的な空間デザインができるのようになるのでは。例えば映画館や展示空間における「ビジビリティ(みやすさ)」など。

【アーキロイドポイント】
 archiroid.comでは、サービス上にある住宅に対して、価格、面積、法規適合、構造強度といった評価を与えています。目的関数をどんどん追加していくことで、ユーザー各々が自分の暮らしや家に対する要求を自覚し、時には一点突破的な設計が可能になるかもしれません。

事例3:衛星データとAIを活用してバーチャル空間に「世界」を自動生成するプロジェクト

【概要】
 株式会社スペースデータが展開するプロジェクトが、クラウドファンディングを開始。衛星データ(地上の静止画像と標高データ)から、AIによる3Dモデルの自動生成、更に石・鉄・植物・ガラスなどの細やかな物質を3DCG技術を用いて再現させるそうです。(イメージとしてはGoogleEarthのめちゃくちゃキレイ版)
 ちなみにクラファンのリターンは、個人法人問わず、バーチャル東京のどこかに巨大看板を設置できることらしいです。

【アーキロイドポイント】
 まさにデジタルツイン、メタバース。作成されたモデルは無料公開する予定なんだとか。archiroid.comの敷地3Dデータとして使わせてもらう日が来るかも。

事例4:3D空間データプラットフォームの韓国Urbanbaseが約12億円調達、メタバース事業へ参入予定

【概要】
 またまたメタバース。Urbanbaseは間取りの3D変換技術や、VR/ARによるインテリアシミュレーションサービスを提供。韓国で物件約850万世帯以上を3Dデータベース化。B2B向けサービスの顧客は約50社で、その大半が日韓大手企業(ニトリ、電通、ソフトバンクなど)
 現在は集合住宅向けのインテリアツールの開発に注力していますが、今後は異なるタイプの住宅をカバーしていく考えのようです。考えのようです。

【アーキロイドポイント】
 アーキロイドはこれから建つ家の完全な3Dデータを作りたいと考えていますが、一方で今ある家の3Dデータを作るというのも大きなテーマです。表面的なデータだけでなく、構造や設備などの壁体内の情報も作れれば、インテリアシミュレーションだけでなく、大掛かりなリノベなど、データの効用は計り知れません。

事例5:LiDARスキャナからCADデータ作成 CANVAS by OCCIPITAL

【概要】
 iPad, iPhoneのLiDARスキャナのデータから、3DCADモデルと2D図面を作成する、ワンタップのScan To CADサービス。CADファイルは最大2営業日以内に配信されるそうです。

【アーキロイドポイント】
 上のUrbanbaseの事例でも書きましたが、今ある家の3Dデータを作成するというのは大きなテーマの一つです。Urbanbaseに対してこちらは設計者、工務店向けのサービスのようです。

事例6:気候変動で増える水害を抑えるため、ただ成長を良しとする都市部に建築基準で待ったをかけるForerunner

【概要】
 アメリカの沿岸部では、人口増・税収増のために都市の開発を進めた結果、洪水などが発生した際の被害が甚大という問題があるそうです。しかも、洪水保険制度で被害が補填されるので、根本的な解決をするインセンティブが弱く、成長を止める力が働かないのだそう。
 そこでForerunner(フォアランナー)は将来的な洪水被害の軽減のために、建物の最低床高基準の割り出しや、基準適合の確認、洪水地帯の境界線を追跡、水位認定証の作成、国の洪水保険書類の処理手続きなどを行います。
 洪水被害の軽減が、洪水保険加入者の保険料の割引というインセンティブに繋がり、ゆくゆくは洪水保険制度そのものが不要になるとまで考えているそうです。

【アーキロイドポイント】
 日本でも令和2年8月28日より、不動産取引時の重要事項説明の対象項目として、水害ハザードマップにおける取引対象物件の所在地についての説明が義務化されています。今後、Forerunnerのような仕組みが日本でも誕生するかもしれません。
 保険を扱うのも興味深い点です。住宅は高価で複雑なので、ローンや保険といった家そのもの以外のことで、知っておくべきことが沢山あります。とっつきにくい事を、ビジュアル、基準、そしてインセンティブに分解して、わからせることで、各人にとって自分ゴトにもなりますね。

事例7:庭先に設ける1畳のテレワーク空間「HANARE 禅zen」、50万円台で発売

【概要】
 1畳(910×1820mm)しかない多目的スペース。標準工期はたったの2日なんだとか。

【アーキロイドポイント】
 働き方、住まい方、暮らし方の多様化に対して、家づくりはもっと柔軟であるべきだし、柔軟になれると思います。コロナ禍は、世帯人口の減少といった緩やかな変化ではなく、急激に生活を変えました。そうした中で顕在化したニーズに対して、このような尖った商品が出てきたと考えられます。
 アーキロイドは、ひとりひとりのユーザーがじっくり考えた暮らし方を実現できる、家づくりを提供していきたいと考えています。

【筆者ポイント】
 子供の頃、あだち充先生の名作漫画「タッチ」の子供部屋に憧れていた筆者としては、欲しくなる気持ちがわかります。(1畳じゃ3人はキツイけど)

事例8:ダイナミック違法建築

【概要】
 アニメ「DYNAMIC CHORD(ダイナミックコード)」に登場するカフェが、歩道をほぼ塞ぐほどにデッキがせり出している違法建築だと話題に。それをDVDにする際に修正したものの、修正が雑すぎて作画崩壊。運営側もそれをネタ化しているんだとか。

【アーキロイドポイント】
笑った。


 初ノートということで、真面目なところとゆるいところと、マチマチです。回数を経て、少しずつ良いテイストを探っていきたいです。来週はもっとサクッとまとめたいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。


「今週、社内で話題になった事例」 について
株式会社アーキロイドの社内で話題になった事例(ニュース、リリース、書籍、動画、論文などなど)のうち、いくつかをご紹介します。元記事の配信時期は必ずしも今週とは限りません。数ヶ月前、数年前のものもあるかもしれません。

社外にこれを発信することで、
①アーキロイドメンバーが日々どのようなことに目を向けているのか、を知ってもらいたい。
②せっかく読んでもらえるなら有益な情報をお届けするために、自分たちの情報感度をもっと高めていきたい。
という目論見があります。

メンバーも大半が30代に差し掛かってきたので、備忘録という意味合いが一番強いかも。ご笑覧ください。

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