一級建築士学科試験|令和2年施行の改正建築基準法施行令における「敷地内の通路」の幅員の合理化
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一級建築士学科試験|令和2年施行の改正建築基準法施行令における「敷地内の通路」の幅員の合理化

令和2年4月1日施行の改正建築基準法施行令のうち、令第128条の「敷地内の避難上必要な通路」について、まとめておきます。令和3年の学科試験から適用される法令になります。

1.令第128条の改正

<改正前の令第128条>
敷地内には、第123条第2項の屋外に設ける避難階段及び第125条第1項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。
<改正後の令第128条>
敷地内には、第123条第2項の屋外に設ける避難階段及び第125条第1項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m(階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物の敷地内にあっては、90cm)以上の通路を設けなければならない。

 令第127条により、法第35条に掲げる建築物には令第128条が適用されます。したがって従来より、「所定の特殊建築物」や「階数が3以上である建築物」等の敷地内には、屋外避難階段及び避難の用に供する出口から、道又は公園等に通ずる幅員1.5m以上の通路を設けなければならないこととされています。

令第128条の改正により( )書きが追加され、階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の小規模な建築物については、敷地内の通路の幅員を90cm以上確保すればよいことになりました。

2.改正前後で異なる問題の記述の正誤

施行令改正によって問題の記述の正誤がどう違ってくるのかを、以下問題の記述を例示して考察してみます。

<問題A>
地上3階建ての建築物の敷地内には、屋外に設ける避難階段から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。

<問題A>の記述については、改正前は、令第127条、令第128条により正しい記述になります。が、改正施行令に照らすと、延べ面積が200㎡未満であるか否かで違いが出てきますので、正しいとは言いきれなくなります。これを、改正施行令に照らして正しい記述とするためには、以下<問題B>のようにする必要があります。

<問題B>
地上3階建て延べ面積200㎡の建築物の敷地内には、屋外に設ける避難階段から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。

「延べ面積200㎡」を加えることで改正施行令第128条( )書きが適用できませんので、<問題B>は正しい記述になります。さらに、正しい記述として<問題C>を例示してみます。

<問題C>
地上3階建て延べ面積180㎡の建築物の敷地内には、屋外に設ける避難階段から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が90cm以上の通路を設けなければならない。

階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物となりますので、令第128条( )書きにより、敷地内の通路の幅員は90cm以上でよいことになり、<問題C>は正しい記述となります。

以上の通りです。法改正に対する厳密さを欠いて、過去問を過去問のまま無自覚に解くことをしてしまうと、正しくない理解に繋がりかねません。この点、注意が必要です。


✳以下の記事も参考にしてみて下さい。

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企業内一級建築士資格取得研修の24年間の実績。設計製図試験の与条件に対しそうであるように、「やらなければならないこと」、他「やったほうがいいこと」、「どっちでもいいこと」を見極める力が大切……勉強をしていく中で何事においても。co-師(学びあう共育者)というスタンスで発信。