粉雪みたいな恋をした。2
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入部8ヶ月、私は生徒会を辞めた。
きっかけは同期と揉めたこと。私が他の1年生と上手くいってないことは顧問も含め生徒会全員が知っていた。私は辞めたくはなかった。仕事がしたい、それだけが原動力で8ヶ月頑張ってきた。辛かった。悔しかった。
辞めたあとの最初の行事、予餞会。本当は運営にいるはずだった、そう考えたら悔しくってしょうがなかった。辞めたのが12月末、予餞会があったのは1月末。この1ヶ月間、生徒会とは関わらないできた。廊下ですれ違う2年生は少し余所余所しかったり、久しぶり!と逆にオーバーに振る舞われたり。自然に、とはかけ離れた対応に少し傷ついた。
予餞会は本当に早退してすっぽかしてやろうか、どうやったら早退出来るかを真剣に授業中考えていたが、結局早退は出来ずにいた。どうしようもない。そう思って覚悟を決めて体育館に入った。
1年生の入場を取り仕切っていたのは、ずっと私が好きだったあの先輩だった。先輩は私に手を振ってくれた。あの柔らかい、変わらない優しい笑顔で。
救われたように思った。その笑顔だけで、私は予餞会を乗り切れた。
予餞会から1週間強、バレンタイン目前!という日の朝、偶然先輩が1人で登校しているところを見かけたので声をかけた。
「おはようございます!」
「あ、おはよう空友花。ちょっと聞いて欲しいんだけど」
「??どうしたんですか?」
「僕、昨日振られたんですよ」
つづく
2020.1.25 空友花
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