読書感想文(26)嶋中雄二、三菱東京UFJ証券景気循環研究所編著『先読み!景気循環入門』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

最近経済セミナーで景気循環、経済サイクルというものを知り、興味を持ったのでこの本を読んでみました。
難しいところも多々ありましたが、細かく見出しが分かれているので読みやすかったです。
なので、ちょっと興味あるなーという人にはオススメです。

感想

まずそもそも景気循環ってなんぞやというと、そのままの意味で、景気は良くなったり悪くなったりを繰り返すよって感じです。

第一章「景気循環とは何か」ではサイクルがあるという話、代表的な四つのサイクル(キッチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフ)の紹介などがあります。

第二章「循環をどう捉えるか」では研究者が循環をどう捉えてきたかが書かれます(いや、そのまま笑)。また、景気循環を予測するための景気指数についても書かれています。過去に予測を外しちゃって権威が落ちた、みたいな話もあって面白かったです(うろ覚え)。

第三章「何が循環を生み出しているか」では、循環の原因を外生要因、内生要因、混合要因に分けて、代表的なものが紹介されています。
セミナーで聞いた太陽黒点説がありました。これは太陽の黒点の数と景気に相関があるという説です。
過少消費説と過剰投資説といった対立する理論があるのも面白かったです。
この辺りから難しくなってきてわからないところが増え始めました。玉突き台の理論、乗数効果、加速度原理などは一応なんとなく理解できたものの、ハイエク理論やリカード効果についてはさっぱりわかりませんでした。この辺も勉強していくうちにわかるようになるのかなと思います。

第四章「知られざる様々な循環」では、その他様々な循環が紹介されていました。
中でも面白いと思ったのはクリスタルサイクル、新太陽黒点説、新技術革新説などです。
新太陽黒点説では、太陽黒点の数以外の太陽の活動について、4つのサイクル(エルニーニョ、シュワーべ、ヘール、吉村)があり、それぞれが4つの経済サイクル(キチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフ)に対応するとして、体系化しています。その上で、太陽活動が景気循環に及ぼす影響として農林水産物収穫説、人間心理説、エネルギー需要説の三つの複合型としています。
これは著者の嶋中さんの説のようです。

そして最後は「経済学説の循環」で幕を閉じます。これはそもそも景気循環に関する経済学説がその時々の状況に左右されるため、循環しているという話でした。面白いです。
学説はその学者が置かれている立場に大きく左右されます。簡単に言えば、失業者が多い社会ではそれを問題にした学説が出て、逆に労働者が足りない社会ではそれを問題にした学説が出る、といったところです。捉え方の違いについては第二章でも触れられているので、とてもしっくりきて読み終える事ができます。

わからないところも多かったのですが、個人的にはかなり満足できる内容でした。いつかもっと勉強した後に読み直せばもっと面白いんだろうなぁと思います。

おわりに

最近少しずつ経済学に触れる機会が増えています。やっぱり新しいことを知るのは面白いです。そしてこの面白さは義務感が無いという点も大きいと思います。将来お金持ちになったら時間も気にせずゆっくり色んな事を勉強したいです。

というわけで、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
次回は『金持ち父さんの予言』です。

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