読書感想文(98)山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はいわゆるお勉強の本ですが、読み物として読んだので読書としてカウントすることにしました。

感想

日本史はこれまで何度も勉強しないとなぁと思ったのですが、やっと一歩踏み出しました。
ほんとに表面のストーリーをなぞっただけなので、これからより詳しく学び、また繰り返し学ぶことで定着させたいです。
ちなみに、私は記憶力が残念な方の人間なので、既に結構忘れている部分があります笑。タイトルに偽りありです笑(批判するつもりはありません)。

私は高校生の頃まで理系コースだったため、受験に不要ということで日本史の勉強をかなりサボってしまいました。
しかしやっぱり勉強したいと思い、ほとんど知識が無い状態から学び始めました。
そんな私でも理解しやすいと感じたので、難しい話が苦手という人にはオススメです。

古代から近代までの歴史で、一番為になったのは戦後史でした。
政党の流れなどは今にも繋がるので、復習したいと思いました。
また、印象的だったのが、太平洋戦争に関して述べている次の文章です(太字稿者)。

 大きな戦争というものは、ひとりの政治家が「やろう」といって起こせるものでなく、それぞれの国がそれぞれの「理念」や「正義」を掲げて、国民の共感を得なければ総力戦を戦えるものではありません。(中略)結果的にはこの戦争を経て、日本の勢力下に入ったアジア諸国は欧米諸国から独立することができました。しかし、その勢力圏でのふるまいは支配的なものとなり、多くの国の人々に苦しみを与えたことも事実です。
 また、この戦争を「軍部の暴走」ととらえる人も多くいます。しかし、その「暴走」には、経営する企業や工場の海外市場がほしい財閥や、その企業や工場で働く労働者たちが軍部を支持し、国民の多くも戦争を望んでいたという経済的背景もあります。
 日本は「力こそ正義」と考えられていた帝国主義の時代に国際社会に加わったことから、欧米列強から自らを守り、海外に進出して列強と肩を並べるような国にしたい、それこそ「正義」だと考えられてきたという背景もあります。日本をとりまく様々な戦争についても、善悪の二元論に陥らず、多面的な視点から歴史的背景をとらえ、考えていくことが必要です。
 今後、グローバル化はさらに進み、世界は一体化していくでしょう。(中略)このような時代において、歴史を知識として学ぶだけではなく、様々な角度から眺め、考えていくことは、現代に生きる私たちにとって必要な視点なのです。

これまで正直それほど戦争について深く考えたことはなく、戦争はやってはいけないもの(悪)だと、まさに善悪の二元論で捉えていました。
しかし確かに戦争をやるにはそれだけの原因があったはずであり、また悪い面だけでなく、技術の発達など良い面もあったはずです。戦争を肯定しているわけではなく、その要素を一つ一つ考えていくことが大切だと思いました。そうすることで、甚大な被害をもたらす戦争をせずに済むことにも繋がると思います。

他に印象に残ったのは楠木正成です。
これは司馬遼太郎『燃えよ剣』で近藤勇が尊敬していた人物です。
確かに忠義を尽くしていてかっこいいなと思いました。それに比べて足利高氏は……。
まあこの辺りにも色々な背景があるのでしょう。
これから気になったところから学んでいきたいです。

この本に唯一批判したいことを言えば、索引がないことです。
例えば「楠木正成どこだっけ〜」という時に探すのが手間になります。
楠木正成ならまだしも、「この総理大臣ってどの辺りで何した人だっけ?」などはありがちな気がします。
索引をつけるのはとても大変ですが、あったらもっと便利だったなぁと思います。
巻末付録は抑えておくべき文化史・日本史年表があり、これはとても良いなと思いました。

おわりに

とりあえず日本史を一通りさらったということで、これから色んなことを学んでいきやすくなると思います。
同じシリーズで世界史もあるので、そちらもまた機会があれば読んでみたいなと思っています。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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