読書感想文(30)橘玲『働き方2.0vs4.0;不条理な会社人生から自由になれる』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回読んだこの本はオススメされて読みました。
結構内容が衝撃的だったので早速感想に移ります。

感想

以前、同じ著者の『幸福の資本論』を読みました。

この時は「できればこの著者の本はあまり買いたくないなぁ」なんて書いていますが、この本は読んでよかったです。まだ消化不良の部分もあるのでまた読み返すつもりです。

今回は色々と衝撃的な話が多かったので、多分全部書ききれませんが、できるだけ書いていきます。

まず全体的には、今後会社に所属し続けるような働き方はなくなっていくという話です。
タイトルにある2.0は成果主義、4.0はフリーエージェントです。このような働き方が主流になります。なぜなら日本のような総合職のやり方は効率が悪いからです。プロジェクト単位で仕事が進み、解雇が当然になります。スペインでは解雇の時に払うお金についてきちんと法律で決められているそうです。こちらの方が会社にとっても労働者にとっても良いのです。

二章では現在の日本がいかに前近代的な制度であるかについて書かれています。一番衝撃的だったのが、戸籍制度が日本だけということです。
しかもお隣の韓国は2008年に廃止したのだとか。
日本はイエ社会が前提の社会保障になっていますが、もう持続できません。なぜなら平均寿命が100歳になり、少子高齢化だからです。
年金が成り立たないのは既によく言われています。

次に会社がなくなるのかという点については、否という結論でした。管理職も無くなりません。
ただし会社に所属する正社員は減り、フリーエージェントが増えます。もっと言えば、ブルシットジョブと言われる役に立たない仕事がもっと増えます。

さて、厳しい未来を生きるためにこの本で推奨しているのが共働きです。著者は「専業主婦(夫)は2億円損をする」なんて書き方をしています。逆に言えば「共働きをすれば2億円得をする」とも言えます。
お互いがお互いの生活を支え合うことで、柔軟な生き方ができます。一番わかりやすい例で言うと育休などです。
ただ、今読んでいる同著者の『上級国民下級国民』では、高卒或いは高校中退の女性の多くが専業主婦を希望しているそうです。貧困が貧困を生み、格差が広がっていると言います。
他人のことを考えている場合でも無いのですが、どうなっていくのかなと少し気がかりではあります。

この本の中で最も重要だと思ったのは、次の一文です。

「未来社会」で生き延びるのは、会社に所属しているときでも常に「フリーエージェント」として仕事をしていると考え、会社のブランドに依存するのではなく、自分自身のよい評判を増やしていけるひとです。

日本の企業は厳しいかもしれないが、個人の幸せはまた別問題です。解雇されても自分を雇ってくれる会社を見つければ良いのです。その時、雇ってもらえるかどうかは自分を商品とした時に買ってもらえるかどうかということです。
新卒採用はこの点が弱みなのかなと思います。大学では多くの人が「教養」を勉強した「だけ」なので、面接等でその人の将来性を考えて企業は採用します。だから「やったー就職できたー」と思って自分を磨かなければ、その会社が当てにならなくなった時に困ってしまいます。私はビビりなので結構恐怖を感じるのですが、皆さんはどうでしょうか。まあ就職して数年で全く成長しないなんてことは滅多に無いと思うので、しばらくは大丈夫かもしれません。けれど、じゃあ10年後は?と考えると結構怖いです。同じ年齢の人たちと比べて劣っていた場合、転職できるのでしょうか。職場の環境は職場によると思いますが、周りの環境に流されずに自分を磨き続けることを忘れてはいけないと強く思いました。

おわりに

今回書いた内容以外にも、目次を見返すと結構衝撃だったなぁと思うようなことがたくさんあります。例えば「ブラック企業のビジネスモデルは、何も知らない若者を「正社員にしてやる」とひっかけて、サービス残業で徹底的に酷使することでアルバイトの最低賃金以下で使い倒すこと」と書かれています。これは日本人が「正規雇用」「非正規雇用」という身分を強く意識しているために起こります。もっと言えば「正規雇用」が上で、「非正規雇用」は下なのです。人によっては「何を当たり前のことを?」と思うかもしれませんが、グローバルスタンダードではこれらの違いは労働時間の長さや日数の違いだけで、上下関係はありません。
こんな感じで書き始めるとまた長くなってしまうので、気になる方は是非読んでみてください。

というわけで、最後まで読んでくださってありがとうございました。
次回は同じく橘玲氏の著書、『上級国民下級国民』です。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?