読書感想文(13)ミヒャエル・エンデ作、大島かおり訳『モモ』

はじめに

こんにちは。笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回読んだ『モモ』は、最近よく平積みされているので気になって買いました。
児童文学と侮るなかれ、むしろ大人に刺さる内容ではないかと思います。自由気ままな子供にとっては楽しい冒険譚かもしれません。
最近「忙しくて時間が無い」という人は是非一度手に取って、自分の生活を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

と、終わりのような始まりですが、感想も書きます笑。

感想

この作品の一番のテーマはやはり「時間」だと思います。
作中で初めの方に灰色の男が時間を計算するシーンが印象的です。
灰色の男はいかに時間を無駄にしているかを熱心に話しますが、その無駄は必要なものだということがよくわかります。
忙しいことが悪だとは思いませんが、例えば仕事に追われてプライベートを蔑ろにしてしまうと、現実でも同じことが起こるのではないかと思います。

時間について思うところもたくさんあるのですが、他にもこの作品は様々な問題を指摘しているように思われます。
例えば灰色の男が時間貯金を勧める時のもっともらしさ、これも情報が溢れている現代ではかなり問題だと思います。
「○○によると、こうらしい」という論法を使うと全て正しく感じてしまう、なんてことがあるのではないでしょうか。

また、この作品で一番初めに書かれるのはモモの「聞く力」です。最初からグサッと刺さるなぁと思いました。逆に私は話を聞いてもらって、喋っているうちに自分の中で整理がついていくことがよくあります。最近は聞き上手よりも話し上手になりたいという気持ちの方が強いのですが、やはり聞くのも上手になりたいなと思います。

その他にも様々な論点が見つかりました。今回は初読だったのでひとまず物語世界に入り込んでどんどん読み進めましたが、次に読む時は立ち止まって考えながらゆっくり読みたいです。

おわりに

ページ数はそこそこありますが、児童文学だけあってすぐ読み終わりました。
そして児童文学だけどたくさん学びがありました。まだまだ拾い切れていないのでまた読みたいです。

というわけで、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
次に読む作品はまだ決まっていません。


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