読書感想文(168)森見登美彦『四畳半タイムマシンブルース』(上田誠 原案)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々の森見登美彦作品です。
「サマータイムマシンブルース」という舞台劇を元に、『四畳半神話大系』のメンバーがワイワイするお話です。

感想

今回も面白かったです。
とにかくバカだし、わちゃわちゃしていて楽しかったです。
そのしょーもなくて愛すべきバカさ加減は次の一文に集約されているように思います。

たかがクーラーのリモコンひとつで、我々の宇宙は終わりを迎えようとしているのだ。

P157

このしょーもなくて壮大な滑稽が面白いんですよね。
スケールが無駄に大きいバカなことっていいですよね。どうせやるならでかいことをやらなければ。

行く人の流れは絶えずして、しかももとの人にあらず……

P43

これは樋口師匠のセリフですが、言うまでもなく『方丈記』の一節からです。
まあ元ネタの方でも「世の中にある人と住処とまたかくのごとし」となるので同じことを言っているのですが、最初から「人」にしてしまった方がわかりやすいですね笑。

明石さん、そのまま己の信じる道をひた走れ。
人は己の信じる道を走らねばならぬ。妥協や従属に価値はない。

P50

かっこいいセリフですが、明石さんのポンコツ映画の話です。
でもそういうバカなことでも、懸命に夢中になって取り組めるのっていいよなぁと思います。
そういう童心を忘れてはいけない、と常々思います。
そう、そんな童心を忘れないために、このバカで面白い話を読むのです。
バカってほんとにすばらしい!

おわりに

短いので一気に読み終えました。
森見登美彦の小説もまた色々と読みたいです。
今のところ『夜行』が積ん読になっているので、次はそれかな〜と思います。いつになるかはわかりませんが……。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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