読書感想文(294)森見登美彦『夜行』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々に森見登美彦さんの作品を読みました。

感想

面白かったです。が、不思議な感じでした。
森見登美彦さんは『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』の世界観のイメージが強いですが、今回は全く異なる世界観でした。
どちらかといえば『ペンギン・ハイウェイ』に近いですが、これともまた違います。
何が違うのかというと、そう、おふざけ感が殆どありません。おっぱいも出てきません。
とても不思議なストーリーで、第五章の終盤までさっぱり置いてけぼりでした。
もしかすると、改めて読み直したら全体が皮肉のような冗談になっているのかもしれませんが、今回は初めて読んだので頭に疑問符を浮かべながら真面目に読み進めました。

今回、これまで読んだ森見登美彦さんの作品と明らかに雰囲気が違いましたが、そういえばパラレルワールドのような世界観は四畳半神話大系でもペンギン・ハイウェイでも出てきました。
作者のパラレルワールド観はどのようなものなのか、といったことを考えるのも面白いかもしれません。

この作品では色んな地方が描かれますが、個人的には尾道の描写が懐かしかったです。
最近は懐かしさを求めて国内旅行をよくするのですが、大学生の頃に行った尾道の坂と猫は、数年経った今でも心の中で鮮やかに蘇ります。
最近行った中だと、島根県の玉造温泉の辺りがとても好きな雰囲気でした。
昔ながらの旅情を感じるのは難しい世の中になってきましたが、まだまだ旅行の楽しみはあるなぁと思います。
この夏は東北に行こうかなと思っていたので、津軽にまで足を伸ばしてもいいかもしれません。

おわりに

今回は不思議な読書体験でした。
『熱帯』も似た雰囲気なのかなと思うので、また機会があれば読みたいです。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,937件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?