読書感想文(208)福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はオススメしてもらった新書を読みました。
十年以上前に出版されていながら、未だに本屋で平積みされているのをよく見かける名著です。
私もタイトルは知っていましたが、今回初めて読みました。

感想

面白かったです。
最初は「生物とは何か?」という哲学的な問いが中心でしたが、途中からはDNAの発見や細胞仕組みの解明が中心になっていき、研究者の熱い思いや発見の興奮・喜びがが伝わってくるようでした。印象としては、サイモン・シン『フェルマーの最終定理』に近いです。

私は高校一年生の頃に生物基礎の授業を受けて以来、生物学に触れる機会はほとんどありませんでした。
しかし、DNAが二重螺旋構造であること、アデニン・グアニン・シトシン・チミンといった塩基、RNAが遺伝子情報を伝えることなどは微かに覚えていました。
そして、半透性という細胞膜の特性も覚えていたのですが、その仕組みが図と共にわかりやすく説明されており、とても面白いと思いました。

ただ、こういう話を読むと、どうやってその仕組みができたのか、ということが気になります。
つまり、生物はいかにして生まれたのかということです。

動的平衡という言葉がこの本のキーワードの一つだと思いますが、なぜエントロピー増大の法則に反するように動的平衡を求めるようになったのか。
もっとも簡単な答えは、神がそのように創り給うたというものです。
しかし一体どんな偶然から、生命という動的平衡を求めるものが誕生したのでしょうか、不思議でなりません。

また、ES細胞については、先日山中伸弥教授の対談が収録された本を読んだところだったので、面白かったです。
しかも、この本ではES細胞が何人ものノーベル賞受賞者を生み出すことになることが予言されています。この本が書かれたのは、山中伸弥教授がES細胞に出会う前なので、本当に予言ですね。

本の内容とあまり関係の無いところで言えば、キャリー・B・マリスという人物が気になりました。この人は自由人だそうです。伝記もあるようなので、そのうち読みたいです。

また、この本を読むと実験のことが詳しく書かれていたので、工場や研究施設の見学も行ってみたいなと思います。
本を読んでから工場見学をするなど、楽しいだろうなと思います。

おわりに

この本で今年読んだ新書が10冊目になります。
これは2022年の目標の一つだったので、達成できて嬉しいです。
また、この本は今年で99冊目になります。
次回で100冊目になるので、それを達成するワクワクも今感じています。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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