読書感想文(70)金子みすゞ作、いもとようこ絵『金子みすゞ てのひら詩集・1』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久しぶりに金子みすゞの詩を読みました。
読書会に持って行く本を探そうと本棚を見ていてふと見つけたので読みました。

感想

やはり良い詩だなと思いました。
私は詩をそれほど理解できないのですが、それでも良いなと思わされます。

金子みすゞの詩の特徴なのか、この詩集の特徴なのかはわかりませんが、別の視点(特に人間以外の視点)に立って物事を見ているものが多いです。
有名な「大漁」のように、喜ぶ者がいる一方で悲しむ者がいるということは現実でもよく起こることです。
物事を多面的に捉えられる豊かな感性を磨きたいなと思いました。

特に印象的だったのは「こころ」というタイトルの詩です。

こころ


お母さまは
大人で大きいけれど。
お母さまの
おこころはちいさい。

だって、お母さまはいいました、
ちいさい私でいっぱいだって。

私は子供で
ちいさいけれど、
ちいさい私の
こころは大きい

だって、大きいお母さまで、
まだいっぱいにならないで、
いろんな事をおもうから。

子ども視点で描かれていますが、この「ちいさい私」が大人になってからのことも想像され、親の温かい心が感じられます。
子どもは大人の苦労がわからないかもしれないけれど、苦労なんてわからずに伸び伸びと育ってほしい、そんな気持ちでしょうか。

このような短い詩が15篇収録されています。
そしてそれぞれの詩に、いもとようこさんの絵が描かれています。
詩の温かさが伝わってくるようなやさしい絵です。
どこかで見たことがあるような気がして調べてみると、すごくたくさん絵本を描かれている方でした。
私は幼い頃によく母に読み聞かせをしてもらったので、その時に見たのかもしれません。

将来子どもができたら、金子みすゞの詩も読み聞かせをしたいなと思います。

おわりに

ほんの数分で読み終わるのですが、とても温かい気持ちになれます。
他の作品ももっと読んでみたいと思いました。

というわけで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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