読書感想文(198)相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は結構前から有名なミステリー小説です。
以前、Twitterで見かけて読みたいなと思っていたところ、最近別のところでまたオススメされているのを見かけて、読むことにしました。

今回、大きなネタバレはありませんが、ミステリー小説なので、少しでも先入観を持ちたくないという人は以下お気をつけください。

感想

めちゃめちゃ面白かったです。
正直に言うと、初めの方はまあまあ面白いなぁくらいに思っていました。
なかなか面白い設定だなぁ、けどちょっとキャラクターのやり取りがしんどいなぁ、と。
しかし、あっと驚かされて、怒涛の展開、鮮烈な読書体験でした。

今、これがテレビドラマになっているんですよね。
映画でも良さそうな感じがしましたが、どんな風に映像化されているのか気になります。
ああ、気になる!

ミステリー小説の感想はネタバレをしないように書こうとすると、書くことがなくなってしまうのが難しいところです。
一つ、印象に残ったところを引用します。

わたしたちの日常に、探偵はいません。率先して、あれは不思議だ、これを考えるべきだ、そこが怪しいのだと、丁寧に教えてくれる人はどこにもいない。わたしたちは、自分たちの日常の中で、なにを考えるべきなのか、なにを不思議がるべきなのか、自分自身の目で見定めなくてはならないんです。なにが不思議かわかりませんか? 小さな問題すぎて考える必要がないですか? その価値がない? 本当に?

P405,406

これは読んだ時に本当にその通りだなと思いました。
我々が何故ホームズになれないのかというと、着眼点が違うからです。
その点、推理小説というのは、着目すべき点が文章中に明示(或いは暗示)されているから、少しホームズに近づくことができます。
けれども、日常になると、人はそもそも推理する意識すら失いがちです。何が原因で、どのように物事が動くか、考えれば単純なことも、考える気がなければ思いもよらない。
思えば、昔はそんな風に周りを見ていたことがあるような気がします。そういう人も多いのではないでしょうか。
私は人を騙すようなことをしたくはありませんが、一体どこからが人を騙すということになるのか。
自分の行動によって、意図的に物事が進んでいくのは、人を騙したことになるのか。誰かに何かを思い込ませる所まで意図していれば、自分の考えを話す必要もない、そうすれば騙したことにはならない、だろうか。

よくわからなくなってきましたね。
もう少し、頭が良くなってもいいのではないかな、と思いました。

おわりに

良い読書体験でした。
続きもあるそうなので、また読んでみたいと思いました。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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