読書感想文(269)岡本太郎『自分の運命に楯を突け』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々に岡本太郎の本を読みました。
初めて読んだのは、知人にオススメしてもらった『自分の中に毒を持て』で、大変感銘を受けました。
そしてその後、ちょうど岡本太郎展に行ったのですが、圧倒されました。
とにかく自分の中で何かがワーッと燃え上がり、漲ってくるような感じがします。
今回この本を手に取ったのは、新年度になったので、気合いを入れ直そうと思ったからです。

感想

とても良かったです。
書いている内容自体は、それほど『自分の中に毒を持て』などとそれほど大きく変わらないように思われます。即ち、主張が一貫しているのです。
そして、岡本太郎の一貫する主張は利己的な意識が感じられないため、素直に受け入れることができます。

岡本太郎が「職業?人間だ!」と答えたのは有名ですが、この点にもとても共感します。私は高校生の頃は理系で、大学は文学部に入り、プログラミングの勉強をし、今は国語を教えながら、今年から数学を勉強し始めました。
両極端に、文と理なのは、かえってそこに縛られているような気もしますが、自分は文系だとか理系だとか、そういうレッテルに縛られてたまるかという気持ちで生きています。
ただ、今のところ、岡本太郎に胸を張って会えるような生き方をしてはいません。でも絶対に見返してやるぞという思いを胸に、日々を積み重ねています。
それも、岡本太郎の言葉を借りれば、「いつか」なんて言ってるようじゃだめだ!と言われそうですが、それに対しても「俺には俺のやり方があるんだ!」と思って、ぶつけてやりたいと思っています。

いまはだれもが食うには困らない。しかしそのかわり、社会のシステム化にただ振りまわされて、己れ自身を失って生きているじゃないか。一人ひとりが純粋に"人間"として生きる社会なんて、これからますます遠のいていくだろう。

P13

己れ自身を失って生きている、というのはまさに現代に当てはまる言葉ではないでしょうか?


もし計画を実行したければ、元旦にスタートを置くなんて手ぬるいんじゃなく、毎朝にスタートラインを引くべきだ。

P16

これも、もっともなことです。
朝起きて衆生の救済を思い、夜寝る時に衆生の救済を思う、ということが、先日読んだ『道元入門』にありました。
自分のやりたいことは、朝起きてすぐに思うほど、心の底から思っていることの中にあるのだと思います。

自分がほんとうのことをぶっつけると、相手がそれに反論してくる。それに対して、自分がまた問題をぶつける。ほんとうの意味での純粋に闘いあう相手、それが親友なんだよ。

P131

孤独を貫くこと、という話が出てきますが、年々これを強く感じます。
皆、大人になるにつれて社会に迎合し、自分を失っていっているように感じます。
自分が理想に近づけば近づくほど、周りと壁ができます。
まだこの感覚はうっすらとしかありませんが、しっかりと自分の前にある道を塞いでいるように思われます。
岡本太郎の本を読むと、その壁をぶち破って、孤独を突き進むのがいいんだ!と思うことができます。
他人から「何をやってるんだ?」と思われても、「破滅願望?」と言われても、生きるために破滅の道に行くんだ、そもそもこんなの破滅というほどの大したものじゃないんだ、と、心を強く持って生きていきたいです。

おわりに

いつも通り、文章は下手ですが、岡本太郎の本を読んだ後だと、胸を張って下手だと言うことができます。
下手であることを認めると、上辺だけ綺麗に整えた「上手」な文章よりも、よっぽど真実味のある文章を書けているだろうと思います。

この本の力を借りて、今日この時から、全力で生きていきたいと思いました。

ということで、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。


この記事が参加している募集

#読書感想文

191,896件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?