結局どう答えるのが正解かは分からないが、

「何フェチ?」
合コン(行ったことはないが)などでよく聞かれるこの質問、みんなは何と答えているのだろう。
足、匂い、指、音、ほくろ、はたまたお尻…この世にはあらゆるフェチが存在している。

この質問をされた時、わたしは今まで匂いフェチと答えていた。(一般的かなと思って)
実際に匂いには敏感だと思うし、恋人の首筋の匂いは好きでいつも嗅いでしまうし、まあ匂いフェチと言っても支障はないと思う。

だが最近、わたしの中で急速に盛り上がっているフェチがある。
それはずばり、言葉フェチ。

文章を書くことが好きということは、つまり言葉そのものにも魅了されることがあるということであり、最近それを強く実感したのだ。

きっかけは、米津玄師さんの曲、『春雷』。

リズム感と音の質感が好きで何気なしに何度も聞いていたが、ふとイヤホンから流れてきた歌詞に注目したとき、ぶわあっと胸の中があったかくなり、同時にそわそわと落ち着かない感覚がした。

現れたそれは春の真っ最中
えも言えぬまま輝いていた
揺れながら躍るその髪の黒が
他のどれより嫋やかでした
あなたにはこの世界の彩りが
どう見えるのか知りたくて今
頬に手を伸ばした
壊れそうでただ怖かった

冒頭からサビに至るまでに、こんなにも美しい歌詞が散りばめられた曲を聞いたことがない。

えも言えぬまま、なんて日常では絶対に使わないが、そんな言葉を使えるのが作詞の特権だろう。しかしこんな言葉を生み出し、かつ大衆受けする曲をつけて、世界に配信している米津さんは、天才以外に言いようがない。

彼が選ぶ言葉ひとつで胸が騒ぐ、これは完全に言葉フェチデビューだ。

#日記 #エッセイ #ゆるnote #米津玄師 #春雷

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