【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第39話
「今朝の……チッ。晨光」
「はぁ……後で梅花宮へ立ち寄っておきましょう。その文は受け取ったのですか?」
丞相の義妹が関わる可能性。お気づきになったよう。殿方二人はげんなりなさっておられます。
自身に火の粉が降りかかると、流石の丞相もそうなるのですね。好い気味。
「いいえ。捨て置いたまま、持参した者に嬪である身の程を知れと言伝を命じてその場を去りました。何かしら謀るのなら、文を渡したと言い張る可能性もございますね。破落戸と下女でしたし、あれ以降会っておりません」