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スケジュールカードはコミュニケーションの1つです

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 「スケジュールがうまく使えません」
親御さんからよく聞く話です。
「カードを見せると怒り出します」
がっくり肩を落とすお母さんも、、、。

 『一日の流れをスケジュールで見せると行動がスムーズになる』
『次にやることををカードで見せると、パニックにならず素直に応じてくれる』
はずなのにどうして???

 確かにスケジュールは有効だし、目で見てわかることは大切です。でも、スケジュールカードは大人にとっての便利グッズではなく、子どもが安心して生活していくための道具です。ここの部分、わかっているつもりでも大人はついつい自分のために使ってしまう場合が多いのかも。

 先ずは子どもの好きなことから。楽しい場面でカードを使いましょう。例えば、公園に行く時に公園の写真カードを見せて
「これからこの公園に行くよ」
と伝える。おもちゃを出してあげる時にブロックとプラレールの写真2枚を見せて
「どっちで遊ぶ?」
と選ばせる。その時カードは大人と子どものコミュニケーションの道具になります。やり取りができる、(選ぶという行為で)自分の意思を伝えられる、という経験はとっても嬉しい。カードが子どもにとって価値のあるものになることが大切。
#大人にとって価値のあるもの、ではありません

 また、日常の中でいつもできていることにも使ってみる。お風呂のカードを見せて
「お風呂入ろう!」
食事の絵カードを見せて
「ご飯だよ」
これは入浴や食事を声掛けだけでもできている場合に限ります。出来ていることを言葉だけでなく、カードも使って伝えてみる。

 子どもにとって、カードで提示された事が『魅力的な事』であったら、喜んでそのカードに示された事をやろうとするでしょう。『魅力的』とまではいかなくても、食事やお風呂は日常のルーティンなので、示されれば抵抗も少なくカードで示された次の行動に移れそうです。
まずはそこから。

 カードは子どもが
「使いたい」
と思って初めて有効な手立てになります。カードを見ると次やることがわかって安心、と思えたり、楽しいことが待ってる、とワクワクしたり、、、。だからこそ、次やることは何かな?とカードを自発的に「見る」ことに繋がります。カードを「見るもの」として認識してくれれば、いろんなカードを「見て、理解する」下地は出来てくる。子どもにとって気乗りのしないカードから始めるとカードは
「大人に指図されるもの」
になってしまい、カードを「見る」ことを放棄してしまう。この点は本当に要注意。

 例えば、トイレトレーニングで時間を決めてトイレに向かわせたい場合は好きなおもちゃのカードに十分親しんでからのほうが良い。トイレのカードを見せたあと、おもちゃのカードを見せて
「トイレ言ったら、コレで遊ぼう!」
と提案してみる。発語がなくてまだ言葉でのコミュニケーションが取れていない子でも、いつものおもちゃのカードを見れば
『コレで遊べる』
と理解出来ます。だからといって、はじめからトイレにスムーズに行く、とは限りません。でも「トイレのあとにおもちゃが待ってるよ」というこちらの意思は伝えられます。発語がない場合、この一連のやり取りを言葉だけで伝えるのはとても難しいことがあります。もちろん、発語がないだけでこちらの言うことをちゃんと理解している子もいます。でも、言葉は見えるものではなく言った先から消えていくもの。「トイレ」「おもちゃ」と順番にカードを見せられるとそれは『約束』のように頭にインプットされる。

 一枚のカードを場面ごとに見ることに慣れてきたら、何枚かのスケジュールになっているものも使えます。以前も書きましたが、保育園幼稚園から帰ってからの予定を簡単にメモにすると、夕方からの家での過ごし方が少しスムーズになるようです。
 こちら↓

 初めにカードに嫌悪感を抱いてしまっても、仕切り直してその子の好きなカードから再度始めてみて下さい。通っている保育園、幼稚園で視覚支援のカードを使っていないようなら、カードに慣れる意味で、家庭でも家族それぞれの予定をカードで示すようにしても良いかも。
「パパは会社に行くよ」
「お兄ちゃんは学校に行くんだね」
と他人にもそれぞれ自分とは異なるスケジュールがある事を学ぶと
『そっか、いまママはスーパーだな』
とスケジュールを「見て」確認することが出来ます。
#子どもを家においてスーパーに行けるかどうかはさておき

 ただ、、、実際にカード用に写真を撮ったり、ラミネートしたりはなかなか面倒くさくて手をつけられないのが実情だと思います。1人で見本もなくて作れるものでもないですよね。これも慣れ、だったりするのではじめはお母さん教室等で一緒に一斉に作れるといいのだけれど、、、なんて密かに考えたりしています。
 そんな話もまた今度。



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