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スケジュールカードって意外と始めやすい!、、、かもよ。

 「読む療育」目指してます。
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 勤めていた療育園にはそれぞれの子ども達にロッカーがありました。ロッカーには子どものマーク(車だったり、魚だったり、お花だったりします)がついていて、カードを入れる小さなボックスと縦に並んだスケジュール表に予定カードがマジックテープで貼ってあります。1つだけの子もいれば、5つ、6つ、10こくらい貼ってある子もいます。
 子ども達は次の行動に移るときに自分のマークのついたカードを手渡され、自分のロッカーについているカードボックスにそれを入れます。代わりにスケジュールカードを自分で剥がしてそのカードに指示されていることをする。例えばトイレの絵が書いてあったらトイレに行くし、給食の絵のカードなら給食袋を取りに行きます。園庭で遊ぶ場合はカードは滑り台の写真ですし、中庭なら砂場の写真、と言う風に次の行動がわかりやすくカードで示されているのです。
 貼ってあるカードが1枚だけの子は、常に貼ってある一枚のカードを見て次の予定を知り、複数カードが貼ってある子は上から順に予定のカードを取り、更に先の予定までをそこで知ることになります。貼ってあるカードの多い少ないはその子の理解に合わせて数を決めます。当然、慣れてくれば貼るカードの数は増えます。

 見通しを立てることが苦手な自閉症スペクトラムの子には、こうやって予定がわかることが確かな安心に繋がります。もちろん途中で一日の予定が変わることはあるので、その場合はその子と一緒にスケジュールカードを差し替えて、
「こっち(の予定のカード)がここ(下の段)にきて、ここの(予定変更のカード)を先にやるからね」
と説明しながら順序を替えます。すぐに納得できない子もいますが、繰り返し伝えることで生活には「予定変更」はつきものだと覚えてもらうのです。

 これを家で上手に使ってくれるお母さんも少なくありません。
「降園時に渡して下さい」
とメモを預かるとそこには簡単に
「1・バスの絵(バスから降りるの意)
 2・滑り台の絵(公園で遊ぶの意)
 3・家の絵(家に帰るの意)
 4・キャンディの絵(おやつの意)」
という風にバスから降りてからのスケジュールが書いてあリます。上手である必要はなく、前もって子どもと一つ一つ絵の意味を確認しておけばよいのです。この子は公園からなかなか家に帰れなかったので、家に帰ればおやつがあるよ、ということを視覚的に教えるためにこのような方法を取りました。

 何も立派なカードを使わなくても、簡単に書いたもので十分伝えることが出来ます。でも、これも積み重ね。たった一つの(スケジュール)カードから始めて徐々に増やしていったからスムーズに出来たことです。 
 カードを使い始めるときの大きな注意点。それはカードを使ったら子どもが嫌がってもその行動に持っていくこと。トイレカードを見せて子どもが嫌がったからと言って、すぐに別のカードを見せたりトイレに行くのをあきらめてしまうと子どもは「カードを見て次の行動に移る」という本来の目的を学べません。怒る必要はありませんが、そこは譲らずに。前にも書きましたが、楽しいことが待ってることもカードで教えてあげると良い場合も。


 生活の中で上手にカードを使える子が増えるといいなぁと思います。カードを使った視覚支援は自閉症スペクトラムの子にだけ有効ということではなく、どんな障害を持つ子にも助けになると思います。
 そんな話もまた今度。

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