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短編集

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#小説

雫

 ずっと待ち焦がれ、ようやく降った晩冬の雪を窓外に眺めながら、僕は小さく体を震わせた。唯一ある暖房器具は小さな炬燵(こたつ)のみだ。彼女と二人、炬燵の中で足を重ねて微笑んだ。

 僕の住んでいる狭いアパートの部屋に彼女は時々顔を出す。付き合い始めてすぐ、スペアの鍵を渡したときに、いつでも自由に入っていいからねと伝えていたけれど、僕がいないときはコンビニで買った食料品と短い言葉をメモに書き残すだけで

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