1992年 ちゃんとした商品をちゃんと売りたい でも「ちゃんと」ってなんだ?
ほんまは手作りなんだけど工場に発注して作らせたようなふりをした初期バッグ達
合皮のカバンシリーズ。ミシンの縫えないよむらが、ひたすら生地をカット、ミシンの速いさいとうが、ひたすら縫う。狭い仕事場で2人流れ作業です。
でも、ハンドメイド、手作りでーす、というのを前面に出したくなかったので、まるで工場でつくらせたようなふりをして、涼しい顔をして納品していました。
このかばんの注文が入ると、他の仕事が何も出来なくなるので、それでは困るので、しばらくして作るのをやめました。くたくたしていて、とてもかわいいかばん達でした。
ほんまは手刷りなんだけど工場に発注して印刷したようなふりをした初期Tシャツ
無地のTシャツを購入して会社でプリント。最初の頃は、失敗率も高く、まゆげのあるウオや、鼻の穴のないカッパ、分身の術を使って二重になったサル、ブルブル震えているペンギンなどのTシャツが、大量の部屋着、寝間着となりました。
上の写真は、かっこいい商品写真を撮ろうとして、なんともまぬけなものになってしまった例です。仕事場のマンション10階から身を乗り出して撮影。脳内イメージでは「青空に浮かび上がるようにかっこよくはためくブルーのTシャツ」だったのですが。
ほんまはお金ないから印刷代けちったんだけど1色印刷がシンプルでおしゃれなふりをした初期レターセット
初期の頃のレターセットは、色上質紙に1色印刷、定型の封筒を使ったびんぼーくさい仕様です。派手な印刷技術、豪華な付加価値を競う大手メーカーでは考えられない、画期的なレターセットでした。そうかといって、値段が安いわけではありません(つくる数が少ないので印刷料金が割高になってしまうのです)。だからこそ、「アイデアと、かわいい心をくすぐるセンスで勝負だ!」とかなりがんばってデザインを考えてきました。が、アイデアはすぐパクられて悔しい思いをしました。特に関西のマンションメーカーはえげつなかったです。
ほんまは大阪で手作りだけどヨーロッパのこども服ブランドっぽいのでは?と思いこんでつくった「アランジ コドモ」
子供向けのシリーズ、その名も『アランジ コドモ』。ピンクとブルーと白で、思いきりかわいくつくるのが楽しかった、思い出ぶかいシリーズ。
かなり、手がかかった物も多く、その面倒くささでも、思い出ぶかいです。
あまりにも思い出深いのでついつい、思い余って商品写真をいっぱい載せてしまいました。
読んでくれた上にサポートまでしてもらえるとは!うれしいです!カッパやわるものたちの小遣いにします。