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小説『サイラス・マーナー』

おはようございます。
毎日編み物をしながら暮らしたいアランアミです。

昨日の編み物🧶

サマートップス、1枚目を編み直し中。
20段くらい。

今日は先日読み終わったジョージ・エリオットの『サイラス・マーナー』の感想です。

『サイラス・マーナー』読むよ!という記事はこちら。

世捨て人マーナーの心の穴を埋めたのは金貨ではなくある日突然目の前に舞い降りた子どもだった

この物語の主人公はサイラス・マーナーという男性です。

親友と恋人に裏切られて、信仰心も踏みにじられ、失意の底にあった彼は故郷を去ります。

そしてラヴィロー村で機織りとして生計をたてます。

人付き合いは最低限。
毎日の楽しみは稼いだ金貨を眺めて数えること。

しかし彼の大切にしていた金貨は何者かに盗まれてしまいます。

それからしばらくして、彼の元に見たことのない子どもが現れました。

彼は自分でこの子を育てることに決め、そのために生活が一変します。

これはそんな物語。

子どもは人間関係の接着剤となるのか

本文より引用します。

若者も年老いたものも、かれを忌み嫌うものはいなくなった。エピーという幼子が、サイラスと世間との絆を結び直してくれたのである。かれとこの幼子のあいだには愛があり、それがふたりをひとつにしてくれた。そしてこの幼子と世間のあいだにも愛があったーー親のような表情や口ぶりで接してくれる男女から、赤いてんとう虫にいたるまで。
光文社古典新訳文庫『サイラス・マーナー』第十四章より


“赤いてんとう虫にいたるまで”という表現が好きです。
世界は子どもを歓迎しているということが伝わってきます。

子どもといると知らない人に声をかけられる確率は確かに上がるなぁと感じます。
声をかけられなくてもニコニコされたりね。

でも、でも。
このラヴィロー村の人たちみたいに子どもウェルカム!という雰囲気は現代日本で子育てをしている私にはしっくりこないのです。

子連れで出歩くってものすごく神経を使うんだよな…と小説を読みながら溢してしまいました。

女性の生き方を考える

この小説は19世紀初頭のイングランド農村ということになっています。
読んでいると現代より遥かに女性の人権ってないんですよね。
そんな時代の中で生きている女性の姿も読んでいて興味を惹かれました。

男性に人生を振り回せれたエピーの母親
村の有力者と結婚したけれど子どもに恵まれなかったナンシー
強い意志で独身を貫いたナンシーの姉プリシラ
裕福な実の父よりも織工の養父と生きることを決めるエピー

「家族の形」「家族の幸せ」とは何かを考えるようなラストでした。

作者のジョージ・エリオットは男性名

でも本名はメアリ・アンという女性作家の作品です。
当時は女性の作品というだけで文壇では軽視されていたらしいですよ。

ではでは、良い1日を〜

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