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余分なこと、無駄なこと、役に立たないこと。

おはようございます。

毎日編み物をしながら暮らしているアランアミです。

昨日の編み物🧶

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3段編んで64段になりました。

この日は外出予定があって忙しない1日でした。

何が何でも毎日編み物がしたい人の執念の3段。

昨日はnoteを1ヶ月続けてみての感想をつらつらと書きました。

自分のnoteで書きたいものは「役に立たないもの」「余分なこと」という言葉が浮かんできた背景には自分が好きな江國香織さんの小説がありました。

『ホリー・ガーデン』はエピソードの宝庫

江國香織さんの『ホリー・ガーデン』という作品が好きです。

1994年に単行本、1998年に文庫本が新潮社より発行されたいます。私が持っている文庫本は28刷のものです。たぶん高校生のときに買ったのかな。繰り返し繰り返し読んでいて、カバーはもうぼろぼろです。

何度も読むくらい好きだけど、どうして好きなのか分からない作品でもありました。

気の置けない昔馴染みの友人関係である果歩と静江の淡々とした物語で大きな山があるわけでも谷があるわけでもないのだけれど、どうにも私は好きなのです。

どうして好きなのか分かったのは本を買って10年以上経ってからでした。

何度も読んでいるせいか、自分の生活の中に『ホリー・ガーデン』の一幕が思い出される場面が少なくないのです。

青い美しいティーカップを見ると果歩が抱えていた箱に入った紅茶茶碗を思い浮かべるし、初夏になって桃が出回ると「愛の桃」という章を思い出す。

雨が降ると果歩が暗唱していた「雨はいちんち眼鏡をかけて…」という尾形亀之助さんの詩が頭に響く。

ピラフを食べると果歩が残していった皿の上の小海老を思い出すし、子どもたちを眺めている時にふと果歩の姪が眼鏡をかけてみたくて視力検査で嘘をついたエピソードや、その姪っ子がビーズで作ったおもちゃみたいなネックレスを職場に着けていく果歩に思いを馳せる静江…を思い出したりする。

あげると切りがないのだけれど、私の生活に侵食しているたくさんのエピソード。それが詰まっているのが『ホリー・ガーデン』という作品です。

あとがきで作者の江國香織さんはこんな風に語っています。

 余分なこと、無駄なこと、役に立たないこと。そういうものばかりでできている小説が書きたかった。                   
 余分な時間ほど美しい時間はないと思っています。

あ、多大な影響を私は受けている。

と改めて思いました。

でも「余分な時間」って愛すべき時間ですよね。

忙しない1日の終わりにそんなことを思ったのでした。


ではでは良い1日を〜



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