秋終わるの早くねって思ったら
然るべき夏が来たら然るべき冬は必ずと言って良いほど来ない、そんなのって虚しいじゃないか、と昔の友人が言っていたことを私は考える。
然るべき夏が来て、然るべき冬が来ないとなると、完璧な一年というのは存在しない事になる。然るに完璧というものはどこにも存在しないのではないだろうか。あるとしたらそこは心象の中だけである。だから人間は神にも成れれば、悪魔にも成れるのだ。
そんなことだから人間は世界に飽きて、世界を見下し、世界を愛せるのだと私はいつでも感じている。ことによったら人というのは絶望しか感じないのだ。裏を取ったら希望しか。
絶望と希望なんてのは見方の違いだと彼は思う。絶望とは未来へ恨みで、希望は未来への祈りだ。恨みだろうと祈りだろうとそれは人の思いであって、裏表であるのだ。コインのような。
コイントスして未来を決めよう。表が出たら明日を望み、裏が出たら明日を恨み、そんな日々を過ごすことで我々は成長していく。たかだか二十四時間でもう一度リセットできるのだから、もう悩むことなんてなくなる。さあ、明日を。
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