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【ラジオ】アレコード備忘録・特別編「甲本ヒロトさんに聴かせたい、ロックを感じるアレコード」

 『伊集院光とらじおと』1/26放送ではアレコードに引き続いてゲストコーナーにも甲本ヒロトさんが登場。
「甲本さんにアレコードをぶつけたい」と、特にロックな曲をセレクトして紹介していました。いずれも甲本さんの魂を揺さぶったようですが、聴いてるコチラもすっかりアレな気分になりました。
 さて、伊集院さんがセレクトした「ロックなアレコード」とは?

・「晴れのち曇り/和田アキ子」

 最高だ、安定感すらある。なかにし礼特集でも紹介されたが、同棲していた男が去っていき、残された女は強がっているけど本当は寂しいという心中を巧みに表現した歌詞はもちろんのこと、パンチの効いたアッコさんの歌声、ダイナミックな演奏、そしてホンガホンガ……このコーラスが一切邪魔にならず、他の要素と完璧なバランスを取りながら存在しているのがまた良し。石のバランスアートのごとき絶妙な平衡感覚の上に成り立っている名曲といえる。
 にしても、曲製作の経緯を『Let it be』のそれとなぞらえるとは。
「ホンガホンガが最初からあったとしたら、アッコさんの歌い方も違ってたのでは」「ひょっとしたら、ホンガホンガ隊の人もアッコさんの歌だと知らされずにいたのでは」……その推測は浮かばなかった。

・「じゅんぎょう列車/高見山大五郎」

 改めて聴くと「♪ジュジュボッボッ……」の部分もそうだけど「プーッ!プーッ!」汽笛の部分も結構かっ飛んでますね。たまに途中でいなくなりますけど、そこもまたアレ感が出てヨシ。
 とはいえ、現役時代は詳しく知りませんが、少なくとも自分にとっては丸八真綿のCMで「♪寝てム~チョ」とかやってた方なんですよ。そのせいか、特徴的なかすれ声で楽しそうに歌う様子が浮かんできて、どこかチャーミングなものを感じてしょうがない。だからこの曲はこれでいいの! これがジェシーなんです! 

・「涙の猟銃/美崎じゅん」

 これは初耳……ではあるけど「♪あの子の似顔 的にして 耳をつんざく 弾の音」っていきなり恐いよ! 山の中でヤケになって猟銃ぶっ放す、ってこれじゃ『八つ墓村』だ。そりゃ付き添ってる犬も鳴きますよ、明らかに飼い主がおかしくなってんだから!
 しかし何回聴いても出だしの歌詞が衝撃的すぎてしょうがない。いろいろ検索かけてみた結果、作詞は矢ケ部信次(1912~78)という方だと判明。

30年代以降になると失恋の歌や踊り子・虚無僧などのさみしい、心の影の世界をえがくようになりました。

上記サイトより

 間違いなく、その時期の歌でしょうね……

・「ピンキーマウス・マーチ/大杉久美子、若草児童合唱団」

 大抵のエンタメ産業がひれ伏すような企業に立ち向かっていく曲、とは上手い表現。でも浦安のあいつは「犬にも負けないスポーツマン」かもしれんが「ドラ猫退治の武勇伝」なんか無いぞ? だから全く関係無い。無いったら無い。それこそ『宇宙からのメッセージ』のBGM「リアべの勇士」とショスタコーヴィチの交響曲第五番「革命」の第四楽章と同じくらいに!
 で、これまた個人的な話だが、かつて某イントロクイズ大会に出場エントリーをする際、アンケートに「出題してほしい曲のジャンル」の項目が。そこで「伊集院光 アレコード」と記して提出したところ、本当にその中から3曲出題された。主催者には感謝しかない。
 そして大会当日、発表された「ジャンル:アレコード」には自分以外「何だそれ?」という雰囲気だったものの、いざこの曲がかかると
「おいおいおい」「いいのかこれw」
明らかに空気が変わった。あの場のざわつき具合は今でも忘れられない。

 結論として「アレこそロックンロールです」。何だコレ? と思えるモノでも楽しいと感じられる気持ちが、一番大切なのかもしれません。

 その「何だコレ?」をいつまでも持ち続けていきたいですね。

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