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日テレ版『ドラえもん』が幻となった理由とは?

 何気なくYouTubeを眺めていると、実に興味深い解説動画が。ゆっくり解説系は多数あれど、ここまでしっかりしているのはお目にかかれない。序章・本編・終章の三部作に分けたうえで、幾多の情報や考察も踏まえて語られている。一昔前なら「ゆっくり解説」ではなく同人誌にでもなっていただろう。

 決して視聴率不振だったわけでもなく、藤子・F・不二雄先生も否定してはいなかった。しかし残された情報があまりにも少ないせいで噂だけ独り歩きしたのが分かる。
 前提として、今でこそ国民的アニメ&漫画となっている『ドラえもん』だが、日テレ版ドラえもんの製作当時はそんなポジションに無かった。「ギャグ要素を含んだよくある子供向け漫画」だったのである。ドラえもんがブレイクし始めたのは本作の放映終了後、単行本化された1974年夏以降だ。最初から大人気だったのではない、という事実は押さえておこう。

 それなら日テレ版は、逆にレア度の高い作品として珍重されても変ではなかったが……現在幻となってしまったのには、実はとんでもないキーパーソンがいたからだと分かる。新潟出身で60年代後半~70年代前半に活動し、様々な方面との人脈を持っていたその人物。新潟繋がりで物凄いビッグネームな方も登場するのには驚かされる。
 そして「幻」となるきっかけを作ってしまったのはその人物だが、その人がいなければ日テレ版も産まれなかった。この辺が実に複雑でまさに「大人の事情」。子供向けなのにそんな理由で終わってしまい、資料も何もかも失われてしまったのは残念でしかない。

 そういえば日テレで「幻」というと同局でほぼ放送された特撮ヒーローの『サンダーマスク』もやはり大人の事情で封印状態だった(しかも放映時期まで近い)。
 いつか日の目を見るときは来るのだろうか。そして、今観たらどういう感想になるのやら。

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