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都道府県魅力度ランキングが44位だった県民の憂鬱。

 以前「都道府県魅力度ランキングの雑さ加減」を記した。

 あれから2ヶ月半、とうとう本年度のランキングが発表された。我が群馬県は44位と、昨年から4ランクダウンしている。

 数値を見ると昨年の13.4点→15.3点と増えてはいるが、調査方法に数字トリックがあるのを踏まえると、どこまでアテにしていいのやら、である。

 山本知事が黙ってるはずないよな、と思ったら案の定だった。「法的措置も検討」があちこちで波紋を呼んでいる。

 これに対しては「いちいち怒るな」「大人げない」「もっと懐の広さを見せろ」等の冷ややかな声が多い。自分も流石に法的措置の発言はやりすぎだと感じたが……ちょっと待って欲しい。

 山本知事が怒っているのは順位に対して「心外」とか「屈辱」だったからではなく、先に挙げた「雑さ加減」が前提にある

かの採点及び集計は、どれくらい雑なのか?

 以前も書いたが、このランキングにおける選択肢は

・とても魅力的
・やや魅力的
・どちらもともいえない
・あまり魅力的でない
・全く無い

の5つ。だがその配点は「とても魅力的=100点」「やや魅力的=50点」の2つだけで、他の項目を選んでも全てゼロ点扱いとなってしまう。

 さらに書くと、上位10県の差は31.8もあるのに対し、下位25県の点差は7.0しかないため、わずかな誤差でも簡単に順位変動が起きてしまう。我が群馬も昨年より点数が上昇しているのに、順位は下降しているという奇妙さ。埼玉県にいたっては昨年の14.1→14.4と数値はほぼ同じだが、順位は38位から45位と群馬より下になっている。このカオス状態で順位が上がった下がったというのも変な話である。

 それでも結果は結果なのだから素直に受け入れるべき、という方もいるだろう。しかしそう言われても納得は出来ない。なぜか?

 全都道府県を対象にしているに、マスメディアやSNS等々を見回した感じでは「魅力度の低い都道府県」だけが「ネタにされている」状態だからである。
 ハッキリ言えば「順位が低い県をイジるきっかけ」を与えてるのと同じだ。緻密さや正確性に欠けた方法で、である。理屈で反論してきた側に対し「大人げない」「懐の広さを見せろ」とはどういう理屈なのか。

 つまり「お前の県は魅力度が低いと数値的に出たとしても、しっかり大人の対応をして、上手くネタにして対処するのが流儀だ」と押し付けてるようなものである。

 もちろん茨城県知事のように「痛くも痒くもない」と言うのも自由だが、それと同じように本気で調査・検証を行い「基準となる数値の算出方法に疑問がある」と主張するのも自由である。簡単に「懐の広さ」で済ませるのは本当に大人の対応なのだろうか。そこが気になり、発表から今までずっとモヤモヤしている。これが憂鬱、というヤツだろうか。

とはいうものの……

 ただ、群馬をイジりネタにするという点で思い出した話がある。
 かつて放送されたクイズ特番『オールスター激突クイズ 当たってくだけろ!』では、出演した芸能人が出身都道府県で三人一組にチーム分けされていた回がある。その中の「京都」チームにいた上岡龍太郎は、同じメンバーだった島崎俊郎を指して

「コイツは京都の顔じゃない、群馬の顔ですよ!」

 ……もっとも上岡龍太郎は昔から「大阪のひったくりは奈良と和歌山からやってくる」等の他県イジりを持ちネタにしており、本気で両県の議員や知事から怒られた過去もある。その流れから出た発言だろうが、同じ近畿の県でなくわざわざ関東地方の我が県を持ち出すあたり、上岡氏にとって群馬は「そういう県」なのだろう。これが30年も前の話である。 

 群馬イジりは今までもされてきたし、おそらく今後もされ続けることだろう。個人的には気にしておらず「秘境グンマー」も大歓迎だが、杜撰な調査方法による魅力度ランキング発表のたびに、憂鬱で複雑な気分にさせられるのは御免被りたい。

 最下位に近い方ばかりが話題になるのは飽きたよ、もう。

 余談だが、島崎俊郎本人は京都出身とあるものの、産まれは高知県で群馬とは何の繋がりもないことを記しておく。

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