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阪神タイガース、18年ぶりのアレ(※もう優勝でもいいのか)

 夏に入ってから、自分の周囲にいるプロ野球好きの人達が「アレ」という単語をしばしば発するようになった。一位を独走する阪神タイガースに関する話題に対してだったため「アレ」の意味は実に分かりやすかったが、なぜ「アレ」と呼び始めたのかが気になっていた。

(Q:まだ『あの言葉』を聞いていない、ファンの皆さんも聞きたいと思ってると思いますが? の問いに対して)
「まさか、ここまで人気じゃないけど、こんな皆に浸透するとは思わなかったけど……今日で『アレ』は封印して、皆で『優勝』を分かち合いたいと思います」

 タイガースには『優勝』の二文字を使うとひっくり返されて逃してしまうジンクスでもあるのか……とか思ってたら本当だった。しかも21世紀に入ってから二度もそれが起きているとは。そりゃトラウマにもなる。

 しかし「アレ」のルーツはオリックスの監督時代、2010年まで遡る。その言葉を口にして、その気になったら必ず心にスキが産まれる。だったらしょうもない言葉だと封印して「アレ」としてしまえばいい。言霊とはよく言うが、それが逆効果になることを考えて、チーム全体の引き締めを狙いあえて「アレ」と呼んだ。そしてオリックスは同年の交流戦で本当に優勝した。

 今年から岡田監督は阪神を率いるようになった。一度は広島に首位を奪われるも、再び奪還。夏の高校野球期間中にあたる「死のロード」も勝ち越した。そのあたりから「アレ」を目にするようになった。気が付けば「アレ」は球団だけでなく、関西のマスコミ関係者も使い始めてあっという間に浸透した。なにしろ「Vやねん!」「あかん優勝してまう」はいずれもマスコミ関係が火種になっていたのだから無理もない。

 そして昨日、ようやく解禁出来た。これで思う存分「優勝」と語れる。しかし喜びを爆発させつつ、ホッとしたという雰囲気も感じるのは気のせいでもないような。やはりトラウマの払拭やフラグ回避が出来た安心感もあるのかと。同じく18年ぶりのリーグ優勝を果たした2003年の時は、こんなのでは済まなかった。道頓堀川に何千人と飛び込むわ、看板に登る人はいるわ、おまけに大阪名物・かに道楽の目が取られるわと大騒ぎでしたから。

 岡田監督は「(次の目標となるCS制覇について)その次の言葉は決めてないんですよ。なんかいい言葉があったら教えてほしいです」。
 アレじゃないとしたら、何が良いだろう。CSが始まる前までに考えておかないと。

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